熊本で50代・60代から通えるパーソナルジムの選び方|持病・服薬がある人の確認点
熊本で50代・60代からパーソナルジムに通うなら、持病や服薬の有無を先に確かめ、主治医の意見をふまえて強さを調整してくれる場所を選ぶのが基本です。この記事では、年代で変わる体、ジムの種類ごとの向き不向き、体験で確認したいことを整理します。
「この年齢から始めても大丈夫?」「血圧の薬を飲んでいるけれど、ジムに行っていいの?」。そうした疑問に、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」や日本整形外科学会などの公的な資料をもとに答えていきます。熊本市内で選べる場所の種類と、市の教室・相談窓口もあわせて紹介します。
この記事で分かることは、次の5つです。
- 50代・60代のジム選びの3つの手順
- 筋肉・骨・関節に起きやすい変化と、年代で変わる運動の目安
- 公営・総合・24時間・パーソナルの種類ごとの向き不向き
- 持病・服薬がある人が主治医に聞くこと・ジムに伝えること
- 体験で確認したいことと、熊本市内の選択肢の探し方
目次
結論|50代・60代のジム選びは「体の確認→主治医→体験」の順で
料金や場所も大切ですが、50代・60代では、その前に「自分の体の状態に合わせてもらえる場所か」を見ておくと、通い始めてからの「思っていたのと違う」を減らせます。順番は次の3段階です。
| 段階 | やること | この記事の節 |
| 1. 体の状態を確かめる | 持病・飲んでいる薬・痛みのある場所・最近の気になる症状を書き出す。ロコチェックで移動の力を確かめる | 年代で起きやすい変化/通い始める前に確かめること |
| 2. 主治医に確認する | 運動してよいか、避けたほうがよい動き、強さの目安を聞く。健診結果とお薬手帳をそろえる | 持病・服薬がある人が確かめること |
| 3. 体験で選ぶ | 問診票の内容、主治医の意見の扱い、強さの決め方、通いやすさを自分の目で確かめる | 体験で確認したいこと |
持病がなく、健診でも特に指摘がない方は、2の段階を軽くして「軽い強さから少しずつ」始める形でもかまいません。どこからが「主治医に相談したほうがよい」なのかは、後半の節で線引きを示します。
50代・60代から始めても遅くない?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人にも高齢者にも、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。同じガイドの情報シート「筋力トレーニングについて」には、筋肉は年齢に関係なく鍛えられること、高齢者や女性は筋力が低下しやすいことが書かれています。
公的な目安のうえでは「何歳だから遅い」という考え方はとられていません。ただしガイドは「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ことを基本にしています。始める年齢よりも、今の体に合った強さから始められるかが大切です。週に何回が目安かは、筋トレの頻度を目的別に解説した記事でも詳しく扱っています。
50代・60代で体に起きやすい変化|筋肉・骨・関節
ジムに何を求めるかは、体のどこに不安があるかで変わります。ここでは、50代・60代で気にかけたい筋肉・骨・関節の変化を、公的な資料の記載に沿って整理します。どれも「必ずこうなる」というものではなく、起きやすい傾向として読んでください。
筋肉は25〜30歳頃から少しずつ減っていく(サルコペニア)
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、「骨格筋量の低下は25~30歳頃から始まり、生涯を通して進行します」と説明されています。加齢による筋肉量・筋力の低下を「サルコペニア」といい、主な要因は加齢ですが、活動不足や病気、栄養不良も危険因子とされています。
同じページでは、予防には特にレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)が有用とされ、栄養と運動は、それぞれ単独よりも併用で実践するほうが効果的とされています。たんぱく質は、適正体重1kgあたり1.0g以上の摂取が発症予防に有効な可能性がある、という書き方です。
ジム選びに引き寄せると、運動だけでなく食事の相談もできるかは見ておきたい点です。持病で食事の指示を受けている方は、たんぱく質の量も含めて主治医に確認してください。60代からの筋トレの種目と食事は、シニア向けの筋トレガイドにまとめています。
女性は閉経の前後から骨が弱くなりやすい(骨粗鬆症)
日本整形外科学会によると、骨粗鬆症は「骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気」です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれ、圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多いとされています。女性ホルモンの減少や老化と関わりが深い病気です。
健康長寿ネット(長寿科学振興財団)では、女性は40代後半〜50代前半で閉経を迎えること、女性ホルモンのエストロゲンには骨からカルシウムが引き出されるのを防ぐ役割があることが説明されています。50代の女性が骨を気にかけたいのは、このためです。
骨折しやすい部位として挙げられているのは、背骨(圧迫骨折)・手首・太ももの付け根です。予防として、運動や日光浴、転ばないように注意すること、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・適量のたんぱく質をとることが挙げられています。
ジム選びの視点でいえば、転倒に配慮した進め方をしてくれるかがポイントです。骨密度の検査で指摘を受けている方は、「避けたほうがよい動きがあるか」を主治医に聞いておくと、体験のときに伝えやすくなります。更年期の体の変化は更年期に体重が増えやすくなる理由と向き合い方、50代女性の筋トレと食事は50代女性のダイエットと筋トレ・食事のコツをご覧ください。
膝の痛みは「動き始め」に出やすい(変形性膝関節症)
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症の原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関わるとされています。男女比は1:4で女性に多く、年齢が上がるほどかかる人の割合が高くなります。
初期には、立ち上がりや歩き始めなど、動作の開始時だけに痛みがあり、休めば痛みがとれる、という経過が説明されています。予防として挙げられているのが、ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることです。
ただし、すでに痛みがある方、腫れている方、原因が分からない痛みがある方は、ジムより先に整形外科などの医療機関で診てもらってください。痛みの原因によって、動かしてよい範囲が変わるためです。膝に負担をかけにくいフォームの考え方はスクワットの正しいやり方で解説しています。
ロコチェックで今の自分を確かめる
日本整形外科学会は、運動器の障害のために移動機能が落ちた状態をロコモ(ロコモティブシンドローム)と呼んでいます。要因は運動器の病気・能力の衰え・痛みなどさまざまで、進むと将来介護が必要になるリスクが高くなるとされています。自分で確かめる方法として、「片脚立ちで靴下がはけない」「階段を上がるのに手すりが必要である」「横断歩道を青信号で渡りきれない」など7つの項目のロコチェックが公開されています。1つでも当てはまれば、運動器が衰えているサインとされています。ただし同じページで、腰や関節の痛み、筋肉の衰え、ふらつきといった症状が悪化してきている場合は、まず医師の診察を受けるようにと書かれています。当てはまった項目は、体験のときに伝える材料にもなります。
なお、健康な状態と介護が必要な状態の中間を「フレイル」といいます。健康長寿ネットでは、早めに対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性がある、と説明されています。
年代で変わる運動の目安|ガイド2023の成人版と高齢者版
運動の量の目安は、厚生労働省のガイド2023に成人版と高齢者版の推奨シートがあります。50代の方は成人版、60代の方は体力や体の状態によって高齢者版も参考にすると考えやすいでしょう。年齢で機械的に切り替えるものではありません。
- 成人版:歩行またはそれと同等以上の強さの身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)/息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上/筋力トレーニングを週2〜3日
- 高齢者版:歩行またはそれと同等以上の強さの身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)/筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上/筋力トレーニングを週2〜3日(多要素な運動に含めてもよい)
- 共通:個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む/座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意

高齢者版には、体力のある高齢者では成人と同じ量の身体活動で、さらなる健康効果が期待できるとも書かれています。一方で、身体機能が低下している方は安全に配慮し、転倒などに注意すること、整形外科的な障害や転倒、持病の悪化などのリスクがある方は年齢や健康状態に応じた適量の見極めが重要であることも示されています。
高齢者版の「多要素な運動」では、筋トレだけでなくバランスや柔軟性も組み合わせることが勧められています。60代以降のジム選びでは、マシンの数よりもこうした組み合わせを一緒に考えてもらえるかを見ておきましょう。
ジムの種類ごとの向き不向き|公営・総合・24時間・パーソナル
どの種類が上ということはありません。ここでは、持病や服薬がある50代・60代の視点で、「誰に相談できるか」「強さを誰が決めるか」「体調が変わったときどうなるか」を軸に整理します。どれも一般的な仕組みで、実際の内容は店舗・施設ごとに異なります。
| 種類 | 仕組み(一般的な傾向) | 持病・服薬がある人が確認したいこと | 向いている人の例 |
| 公営トレーニング室 | 会員登録なしの都度払い。市の施設には70歳以上の市民向けの減免がある | 指導員がいる時間と、相談できるか(公式に記載がない施設が多い)/主治医に許可された内容を自分で守れるか | 主治医の許可の範囲で、自分でメニューを組める人。費用を回数分に抑えたい人 |
| 総合スポーツクラブ | 月会費制が中心。マシン・スタジオ・プールなど。スタッフがいる時間が長い傾向 | 入会時の健康確認の方法/スタジオの強さを自分で調整できるか/プールなど関節に負担の少ない選択肢 | いろいろな運動を試したい人。仲間と続けたい人 |
| 24時間ジム | 月会費制。スタッフがいない時間帯がある店が多い | スタッフがいない時間に体調が変わったときの対応/初回の使い方の説明の有無 | 運動経験があり、自分で強さを管理できる人。通う時間が不規則な人 |
| パーソナルジム | マンツーマン(または少人数)。回数券・月額など | 問診で持病・服薬・既往歴を聞くか/主治医の意見をどう反映するか/強さを何で決めるか/体験で入会を迫られないか | 持病や膝・腰の不安があり、体に合わせて調整してほしい人。一人では続かなかった人 |

公営トレーニング室|費用を抑えて、自分のペースで
市や県の施設にあるトレーニング室は、会員登録なしで、2時間単位の料金をその日に払って使う形が基本です。行けない月に料金がかからないので、「まず週1回から」という始め方がしやすい場所です。熊本市の施設には、70歳以上の熊本市民向けの減免があるところもあります(カードなどの提示が必要)。
公式ページに指導員の記載がない施設も多いため、指導員がいる時間と相談できる範囲は施設に電話で確かめてください。基本は自分でメニューを決める場所なので、主治医に許可された内容を自分で守れるかが分かれ目です。熊本市内の施設ごとの料金・休館日・持ち物は、熊本市の公営ジム(トレーニング室)の料金と使い方で確認日つきでまとめています。
総合スポーツクラブ|いろいろな運動を試せる
マシンのほかに、スタジオのレッスンやプールなどがそろっていることが多い種類です。スタッフがいる時間が長い傾向があり、仲間と一緒に続けたい方にも合います。膝や腰に不安がある方にとっては、プールでの歩行など関節への負担が少ない選択肢を選べることも利点です。
確認したいのは、入会時の健康状態の確認方法と、周りのペースに合わせすぎないようレッスンの途中で休めるか、軽めの参加の仕方があるかです。
24時間ジム|時間の自由と、スタッフがいない時間への備え
好きな時間に通える自由さが特長です。仕事や家のことで時間が不規則な方には大きな利点になります。一方で、スタッフがいない時間帯がある店が多いのも、この種類の仕組みです。
持病や服薬がある方は、スタッフがいない時間に体調が変わったときの連絡方法、スタッフがいる時間帯、初回の使い方の説明の有無を入会前に確認しておきましょう。不安があるうちは、スタッフのいる時間帯に通うのも一つの方法です。
パーソナルジム|体の状態に合わせて強さを調整してもらう
トレーナーがマンツーマン(または少人数)でつく形です。体の状態を伝えたうえで、強さや種目を一緒に決めていけるのが特長で、膝や腰に不安がある方、一人では続かなかった方に向いています。料金は回数券や月額などで、他の種類より1回あたりの負担は大きくなります。
ただし、「パーソナルなら安全」というわけではありません。持病や服薬の扱い方は店によって違います。問診で持病・服薬・既往歴を聞くか、主治医の意見をどうメニューに反映するか、強さを何で決めるかは、体験で必ず確かめてください。パーソナルトレーニングの中身そのものは、熊本のパーソナルトレーニングとはで解説しています。
どの種類でも共通すること
- 持病・服薬がある方は、主治医の確認が先:種類を選ぶ前に、運動してよいか、どのくらいの強さまでよいかを聞いておく
- 痛みや体調の異変が出たら止める:「せっかく来たから」と続けない
- 息を止めない:厚生労働省の情報シート「筋力トレーニングについて」でも、血圧の急な上昇を抑えるために息をこらえないよう注意が呼びかけられています
- 組み合わせてもよい:パーソナルで基本を習い、普段は公営で自主トレする、といった使い分けもよくある形です
無人・低価格のジムや女性専用の短時間ジムも含めた6種類の全体比較は、熊本市南区・南熊本のジムの選び方(6種類の比較)で詳しく比べています。
持病・服薬がある人が、通い始める前に確かめること
持病があっても、運動そのものは公的な資料でも勧められています。ただし、始める前に確かめておくことがあります。
医師に相談したほうがよいのは、どんなとき?
e-ヘルスネットの「運動前の健康チェック 最近の考え方」では、低〜中くらいの強さの運動を少しずつ始める分には、医学的な評価は不要とされています。一方で、強い運動(6メッツ以上)を新たに始める場合は、医学的な評価が必要になることが多いとされています。判断のもとになるのは、①今の運動の習慣、②今の症状や、心臓・血管の病気、糖尿病、腎臓の病気の状況、③やりたい運動の強さ、の3つです。
また、厚生労働省の情報シート「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」(高血圧・2型糖尿病・脂質異常症・変形性膝関節症が対象)では、身体活動で悪化するおそれのある合併症や、運動器の痛み・変形がある場合があるため、事前に医師等の専門家に相談するよう示されています。これらをまとめると、目安は次の3段になります。
- 胸の痛み・動悸・めまいなどの症状がある:ジムを選ぶ前に、まず受診する
- 持病で通院中・薬を飲んでいる:主治医に、運動してよいか、避ける動き、強さの目安を確認してから始める
- 持病も症状もない:軽い強さから少しずつ始める。健診で数値を指摘されている方は、かかりつけ医に一言相談しておくと安心
これは一般的な目安で、最終的な判断は主治医が行います。症状や持病ごとのより詳しい判断の流れは、50代のオンラインパーソナル|医師に相談する目安と強度の決め方で整理しています。オンラインに限らず、通うジムを選ぶときにもそのまま使える内容です。
なぜジムは持病・服薬・既往歴を聞くのか
体験の申し込みや問診票で、持病や薬のことを細かく聞かれて驚く方もいます。これには公的な資料の裏づけがあります。厚生労働省の情報シート「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」には、次のように書かれています。
新たに運動を開始する場合、高血圧や糖尿病、運動で悪化する整形外科的な問題、内服薬の情報等の、身体活動・運動に関連して注意が必要な状況を把握する必要があります。
厚生労働省 e-ヘルスネット「情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」
さらに「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」では、運動が病気のコントロールに影響することもあるため、定期的な医療機関の受診と、運動する本人・医療機関・運動施設の間での情報共有が必要とされています。慢性疾患については、定期的な健診や受診、必要な治療が行われていることが前提であることも示されています。
ジムが持病や服薬を聞くのは、運動の内容を決めるための情報だからです。何も聞かれない場合は、その分だけ自分から伝えるようにしましょう。
薬を飲んでいる方へ|公的資料に書かれていること
同じ情報シート「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」には、薬に関する記載が2つあります。該当する部分を原文から抜き出して紹介します。
- 「高血圧に対する一部のカルシウム拮抗薬、α遮断薬、β遮断薬等は心拍数に影響を与えるため、心拍数が運動強度の指標になりません。」「主観的運動強度を参考にしましょう。」
- 「高齢者では、慢性疾患を有する人の割合が高く、睡眠薬や抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、血糖降下薬などの使用が転倒の原因になることもあるので注意が必要です。」
ここに挙がっている薬を飲んでいても、運動できないという意味ではありません。ただ、ご自身の薬が当てはまるかどうか、運動のときにどうすればよいかは、人によって違います。主治医か、いつもの薬局で確認してください。また、運動を始めるからといって、自己判断で薬を減らしたり、やめたりしないでください。
薬剤師トレーナーの視点では——問診票に薬の名前まで書いていただくのは、上の2文のように「心拍数が強さの物差しにならない薬」や「ふらつきにつながることがある薬」があると、公的な資料にも書かれているからです。とはいえ、目の前の方の薬がそれに当たるのか、運動のときにどう気をつければよいのかを決めるのは、トレーナーの役目ではありません。処方の意図を知っているのは主治医で、日々の薬の相談先は薬局です。ジムの側にできるのは、確認していただいた内容を受け取り、心拍数だけに頼らない強さの決め方を選ぶこと、そして転びにくい種目の順番や場所を考えることです。
主治医に聞くこと・ジムに伝えること(メモ用リスト)
診察の時間は限られているので、聞くことをメモにして持って行くのがおすすめです。次の内容を書き写して使ってください。
主治医に伝えること(これからやりたい運動)
- 行きたいジムの種類(例:パーソナルジム/公営のトレーニング室/スポーツクラブのプール)
- 運動の内容(例:マシンでの筋トレ、自分の体重を使ったスクワット、ウォーキングやバイク)
- 頻度と時間の予定(例:週2回、1回あたり1時間前後)
- 始めたい強さ(例:会話ができる程度から)
主治医に聞くこと
- この運動を始めてよいか
- 避けたほうがよい動きや姿勢はあるか
- 強さの目安(どのくらいのきつさまでならよいか)
- 血圧や血糖など、運動の前に自分で確かめたほうがよいことはあるか
- 運動を控えたほうがよい日や、すぐに受診したほうがよい症状はどんなときか
体験のときにジムへ持って行くもの・伝えること
- 主治医から聞いた内容のメモ(運動してよいか・避ける動き・強さの目安)
- お薬手帳(飲んでいる薬を正確に伝えるため)
- 最近の健診結果(血圧・血糖などの数値)
- 痛みのある場所と、痛みが出る動き/過去のけがや手術
- ロコチェックで当てはまった項目
e-ヘルスネットの「運動実施時のけが・事故の予防と対策」でも、まず健診で自分の状態を知ること、病気が分かった場合は健診結果・診療結果・服薬状況・運動の実施状況などを1つにまとめて管理することが勧められています。また、医学的な確認が必要な健康状態の場合は、医療機関と連携がとりやすく、健康運動指導士などの専門家がいる施設での運動が推奨されています。

運動中に止めるサインを知っておく
通い始めてからのために、止めるサインも知っておきましょう。情報シート「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」では、次のように示されています。
運動中に、胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変を感じたら、直ちに運動を中止しましょう。
厚生労働省 e-ヘルスネット「情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」
同じシートには、収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養を取るという目安も書かれています。これは「この数値なら運動を控える」という目安で、それより低ければ運動してよいという意味ではありません。血圧の薬を飲んでいる方の基準は、主治医に確認してください。
一般的に、運動の前には体調を確かめることが勧められています。寝不足の日、風邪気味の日、いつもと違う感じがする日は、軽くするか休むのも立派な判断です。ジムを選ぶときは、こうした日に「休みます」「今日は軽めで」と言いやすい雰囲気かどうかも、見ておくとよいでしょう。
体験で確認したいこと|問診票・主治医の運動許可・強度の決め方
体験は、お試しで動いてみる場であると同時に、その場所が自分の体の状態をどう扱うかを見る場でもあります。
問診票で何を聞かれるか
体験の最初に、問診票やカウンセリングで体の状態を聞くジムが多いはずです。持病、飲んでいる薬、過去のけがや手術(既往歴)、痛みのある場所、これまでの運動経験などが一般的な項目です。
見ておきたいのは、書いた内容について質問を返してくれるかです。「膝が痛い」と書いたら「どんな動きで痛みますか」「病院で何と言われましたか」と聞いてくれるか、受け取るだけで先に進むのか。聞かれなかったことでも、気になることは自分から伝えてください。
主治医の運動許可をどう扱うか
持病のある方に、主治医の運動許可を求めるジムもあります。手間に感じるかもしれませんが、公的資料が示す「運動する本人・医療機関・運動施設の間の情報共有」にそった対応です。許可を求めるかどうか、どんな形で伝えればよいか(口頭でよいか、メモでよいかなど)は、ジムごとに違うので確認してください。
もう一つの見極めは、「大丈夫ですよ」とすぐに言わないかです。「血圧の薬を飲んでいますが、運動していいですか」と聞いたとき、その場で「大丈夫です」と答えるのではなく、「それは主治医に確認してください」と言ってくれるか。運動の可否を決めるのは主治医です。その線引きをはっきり示してくれるところのほうが、通い始めてからも安心して相談できます。
あわせて、主治医から聞いた内容をメニューにどう反映するか(避けたほうがよい動きの代わりの種目、強さの目安の守り方)も聞いてみてください。
強さを何で決めるか|感じ方と会話で確かめる
運動の強さの測り方には、メッツ(METs)、心拍数、自覚的運動強度(RPE)などがあります。健康長寿ネットによると、自覚的運動強度は運動がどれほどきついかを自分の感覚で表すもので、15段階のボルグスケールでは13が「ややきつい」にあたります。気温などの影響も受けるとされています。
もう一つの分かりやすい方法が、会話です。米国疾病予防管理センター(CDC)は、中くらいの強さの目安として「話すことはできるが、歌うことはできない」程度を挙げています。
前の節で紹介したとおり、薬によっては心拍数が強さの物差しにならないことがあります。体験では「強さは何で決めていますか」と聞いてみてください。心拍数だけでなく、「今どのくらいきついですか」と感じ方を聞いてくれるか、話しながらできる強さから始めるかが、ひとつの目安になります。最初の体験で息が上がるほど追い込まれた場合は、自分の体に合った強さを選んでいるか、改めて考えてみてもよいでしょう。

通いやすさ|駐車場・時間帯・体調が悪い日の扱い
体に合っていても、通えなければ続きません。車で通う方は駐車場の有無と台数のほか、次の点も見ておきましょう。
- 通う時間帯:通院や家族の予定と重ならない時間に予約が取れるか
- 回数の調整:週1回から始めて、慣れたら増やす、といった調整ができるか
- 体調が悪い日の扱い:当日に体調がすぐれないとき、日を変えられるか。キャンセルの決まりはどうなっているか
- 建物や室内の動きやすさ:入口までの段差や階段、エレベーターの有無、更衣室やトイレの位置。膝や腰に不安がある方は特に
- 周りとの距離:ほかの利用者の目が気になるか、自分のペースで動けるか
体験で入会を迫られたら
体験のあと、その場で入会を勧められることもあります。迷ったときは、その場で決めずに、一度持ち帰ることをおすすめします。家族や主治医に相談してから決めたい、というのは自然な理由で、それを快く受け入れてくれるかもジム選びの材料になります。
契約の前には、料金の総額、有効期限、途中でやめる場合の扱いなどを書面で確かめておきましょう。確認する項目はパーソナルジム契約前のチェックリスト、体験当日の一般的な流れは熊本のパーソナルジム体験ガイドにまとめています。
体験チェックリスト|50代・60代が通う場所を選ぶとき
| 確認したいこと | 聞き方の例 |
| 問診票で持病・服薬・既往歴を聞くか | 「持病と飲んでいる薬があるのですが、どこに書けばいいですか?」 |
| 主治医の運動許可を求めるか、どう伝えればよいか | 「主治医の許可は必要ですか? メモで伝える形でいいですか?」 |
| 主治医の意見をメニューにどう反映するか | 「医師から避けるように言われた動きがあります。代わりの種目はありますか?」 |
| 強さを何で決めるか | 「きつさは心拍数で見ますか、それとも感じ方で見ますか?」 |
| 指導者がいる時間・相談できる人 | 「トレーニング中に体調が変わったら、誰に伝えればいいですか?」 |
| 体調が悪い日の扱い・キャンセルの決まり | 「当日に体調が悪いときは、日を変えられますか?」 |
| 駐車場と、室内の動きやすさ | 「駐車場は何台ありますか? 入口に段差はありますか?」 |
| 食事の相談ができるか | 「食事のことも相談できますか? 料金に含まれますか?」 |
| その場で決めなくてよいか | 「家族と相談してから決めてもいいですか?」 |
すべてを1回の体験で聞く必要はありません。自分にとって大事な項目に印をつけて、2〜3個に絞って聞くだけでも、比べるときの材料になります。
熊本市内の選択肢|種類と探し方
ここまでの内容をふまえて、熊本市内で選べる場所を種類ごとに紹介します。個別の民間の店名は出さず、探し方と確認先をまとめます。施設は休館や営業時間の変更があり得るので、出かける前に公式の情報を確認してください。
公営のトレーニング室
市と県の施設にトレーニング室があります。施設ごとの料金・休館日・利用状況は、熊本市の公営トレーニング室の記事に確認日つきで載せています。
親世代(75歳以上)の場合|市の介護予防の教室
ご自身ではなく、親御さんの運動の場所を探している方もいると思います。熊本市では、「75歳からの足腰いきいき教室」が開かれています(市の公式ページ、2026年10月9日更新)。全6回・各90分で、おおむね2週間おきに、体力測定や自宅でできる筋力維持の体操、フレイル予防などを行う内容です。参加は無料で、市内の各ささえりあの圏域ごとに会場があります。
対象は、市内在住で今年度中に75歳以上になる方のうち、「医師から運動制限を受けていない方」とされています。公的な教室でも、医師の判断が前提になっているということです。日程・会場・申し込み方法は変わることがあるため、熊本市の公式ページか、ひごまるコール(096-334-1500)で確認してください。
相談窓口|高齢者支援センター「ささえりあ」
熊本市は、高齢者の福祉に関する相談窓口として、市内に27か所の高齢者支援センター「ささえりあ」(地域包括支援センター)を置いています。介護予防の教室や、地域の通いの場について知りたいときの相談先になります。お住まいの地域の担当は、熊本市の公式ページで確認できます。
民間のジム・パーソナルジム
熊本市内には、総合スポーツクラブ、24時間ジム、パーソナルジムなど、多くの民間のジムがあります。個別の店の料金や体験の条件を比べたい方は、公式サイトで確認できた情報だけを載せた熊本のパーソナルジムをエリア別にまとめた記事を参考にしてください。「シニア向け」「50代から」とうたう店でも、問診や主治医の意見の扱いは店ごとに違います。この記事のチェックリストで、体験のときに確かめてください。
通うのが難しいとき・まず歩くことから始めたいとき
通院や介護などで決まった時間に出かけにくい方は、オンラインで指導を受ける方法もあります。ジムに通う場合との使い分けは熊本のオンラインパーソナルトレーニング、自宅で行うときの転倒への備えは50代のオンラインパーソナルの記事で説明しています。ジムの前に、まず歩く習慣から始めたい方は、熊本市のウォーキングコースも参考になります。
運営者のジム|RBDジム(熊本市南区出仲間)の場合
ここからは、この記事を運営している当ジムの紹介です。上の比較には入れず、事実だけをまとめています。
RBDジムは、東大薬学部卒・薬剤師のトレーナーが指導する、熊本市南区出仲間のパーソナルジムです。運動と食事について「なぜそうするのか」を説明しながら進めることを大切にしています。管理栄養士も在籍しています。
- 持病・服薬について:持病・服薬・既往歴は問診票で伺います。持病のある方には、主治医の運動許可をお願いしています
- 所在地:〒862-0963 熊本県熊本市南区出仲間9-5-10 スペーシアビル4F
- アクセス:南熊本駅から車で約5分/駐車場2台
- 受付時間:11:00〜21:00(月曜定休)
- 料金:回数券制 12回88,000円/18回118,000円/24回148,000円(すべて税込・店舗とオンライン共通)。全コースに食事・栄養指導が含まれます
- 入会金:不要/自動更新:なし
- 受け方:マンツーマン・複数名・オンライン。対面とオンラインの併用もご相談いただけます
- 体験:体験・カウンセリングは無料(店舗の体験は60〜90分程度、オンラインは60分)。その場で入会を迫ることはしません

薬剤師トレーナーの視点では——「薬剤師がいるジムなら、持病があっても任せて安心」と受け取られることがありますが、そこは誤解のないようにお伝えします。私たちは診断をしませんし、処方を変えることもしません。運動してよいかを決めるのは主治医です。薬の知識が役に立つのは、問診票の内容から「この点は主治医に確認していただいたほうがよい」と気づけること、そして主治医に確認していただいた範囲の中で、強さや種目を組み立てることです。分からないことを分からないまま進めない、という順番を守ることが、50代・60代からのトレーニングではいちばん大事だと考えています。
益城町や嘉島町、宇土市など、熊本市の近郊から通われている方もいます。体験では、持病や薬のこと、通い方の希望を伺ったうえで、無理のない進め方を一緒に考えます。料金・アクセス・体験の詳細はRBDジムの店舗案内(料金・アクセス・無料体験)、遠方の方や通うのが難しい方はオンラインパーソナルのご案内をご覧ください。
RBDジムの無料体験・カウンセリングのご予約
Web予約:HotPepper Beauty
電話:080-5259-3762(受付11:00〜21:00/月曜定休)
50代・60代のジム選びについてよくある質問
Q. 60代・70代でもパーソナルジムに通えますか?
A. 年齢の上限を設けているかどうかは、店ごとに違います。ガイド2023では高齢者にも筋力トレーニング週2〜3日が推奨されています。年齢よりも大切なのは、今の体の状態と主治医の意見です。持病のある方は主治医に確認したうえで、体験で「自分の状態に合わせてもらえるか」を確かめてください。
Q. 血圧の薬を飲んでいますが、ジムに通えますか?
A. 通えるかどうかを判断するのは主治医です。体験の前に、運動してよいか、避けたほうがよい動き、強さの目安を聞いておきましょう。公的資料には、一部の降圧薬は心拍数に影響するため、心拍数が強さの物差しにならないことがあると書かれています。ご自身の薬が当てはまるかは、主治医か薬局で確認してください。詳しくは50代のオンラインパーソナルの記事で説明しています。
Q. 医師の許可は必ず必要ですか?
A. 持病も症状もなく、軽い〜中くらいの強さから少しずつ始める場合は、医学的な評価は不要とされています。持病がある方や、強い運動を新たに始める方は、事前に医師に相談してください。持病のある方に主治医の運動許可を求めるかどうかはジムごとに違うので、体験の申し込みのときに確認しておきましょう。
Q. 膝が痛いのですが、ジムに行ってもいいですか?
A. 原因が分からない痛み、腫れ、強くなってきている痛みがある場合は、ジムより先に整形外科などで診てもらってください。運動してよいと言われたら、医師から聞いた注意点を体験で伝えましょう。
Q. 公営ジムとパーソナル、どちらから始めればいいですか?
A. どちらが上ということはありません。主治医に許可された内容を自分で守りながらメニューを組める方は公営、強さを調整してほしい方や一人では続かなかった方はパーソナルが選択肢になります。両方を組み合わせる方法もあります。
Q. 体験に行ったら入会を迫られないか心配です。
A. 体験の申し込みのときに「今日はその場で決めず、持ち帰って考えたい」と伝えておくと、気持ちが楽になります。家族や主治医に相談してから決めたい、というのは自然な理由です。契約前の確認項目はパーソナルジム契約前のチェックリストを参考にしてください。
Q. 親をジムに通わせたいのですが、何から始めればいいですか?
A. まずはご本人の気持ちを確かめることからです。そのうえで、持病がある場合は主治医に運動してよいかを確認し、体験にはできれば一緒に行って、問診や強さの決め方を見てあげてください。75歳以上の方なら、熊本市の「足腰いきいき教室」のような市の教室もあります。地域の通いの場や介護予防については、お住まいの地域のささえりあに相談できます。
まとめ|熊本で50代・60代から通うなら、主治医の確認と体験での見極めを
- 手順:①体の状態(持病・服薬・痛み)を確かめる → ②主治医に運動してよいか、避ける動き、強さの目安を聞く → ③それを伝えて、体験で調整してくれる場所を選ぶ
- 運動の目安:ガイド2023では成人にも高齢者にも筋力トレーニング週2〜3日。60代は体力に応じて高齢者版の「多要素な運動」も参考に
- ジムの種類:公営・総合・24時間・パーソナルに順位はない。「誰に相談できるか」「強さを誰が決めるか」で選ぶ
- 薬:心拍数に影響する薬や、転倒の原因になることがある薬があると公的資料に書かれている。当てはまるかは主治医か薬局へ。自己判断で減らしたりやめたりしない
- 体験:問診票、主治医の意見の扱い、強さの決め方、通いやすさを確かめる。その場で決めなくてよい
この記事は、公的な資料にもとづく一般的な情報で、診断ではありません。運動してよいか、どのくらいの強さまでよいかは、主治医の判断を優先してください。体の変化や続けやすさには個人差があります。熊本市内の施設の情報や市の教室の日程は変わることがあるため、利用前に公式の情報をご確認ください。焦らず、今の体に合った強さから始めていきましょう。
主な参考・出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:成人版」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-002.html
- 同「推奨シート:高齢者版」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-004.html
- 同「情報シート:筋力トレーニングについて」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-005.html
- 同「情報シート:慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-007.html
- 同「情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-008.html
- 同「運動前の健康チェック 最近の考え方」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-06-003.html
- 同「運動実施時のけが・事故の予防と対策」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-06-002.html
文責
白木 勝也
RBDジム オーナー・トレーナー
東大薬学部卒・薬剤師国家資格保有。熊本市南区を拠点に、理論に基づいた「リバウンドしにくい設計を目指したメソッド」で多くの女性のボディメイクをサポート。