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オンラインパーソナルトレーニングと管理栄養士|トレーナーの食事指導との違いと、関わり方の見分け方

2026.10.05
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「管理栄養士在籍」「管理栄養士監修」「管理栄養士による食事指導」——オンラインパーソナルトレーニングや食事指導のサービスを探していると、同じ検索結果のなかに、この3つの書き方が並んでいることがあります。どれも「管理栄養士が関わっている」ように読めます。でも、毎日送った食事の写真に返信を書いているのが誰なのかは、この表記だけでは分かりません。

結論を3つ、先にお伝えします。①見るべきは「管理栄養士がいるかどうか」より、「どの形で、あなたのどの課題に関わるか」です。②一般的な減量の範囲なら、トレーナーの食事指導でも成り立ちます。資格の違いが効いてくるのは、持病・服薬・妊娠や授乳・健診の数値の指摘といった「境界のケース」で、その一部は管理栄養士より先に医師の領域です。③研究では、管理栄養士が関わる減量支援で差が報告されています。ただし、遠隔だけで行った介入は、対面より効果が小さかったという結果も出ています。

書いているのは、熊本市南区でパーソナルジムを運営し、オンライン指導も行っているRBDジムです。トレーナーは東京大学薬学部を卒業し、薬剤師の国家資格を持っています。この記事では、栄養士法・薬剤師法・医師法の条文をたどりながら、資格ごとに「できること」と「ほかの専門職に渡すところ」を整理します。

先に、当ジム自身のことも書いておきます。RBDジムの管理栄養士は、この記事の分類でいう「在籍」です。この記事で「関わり方を確かめてください」と書く以上、自分たちの形もはじめに明らかにしておきます。詳しくは後半の章で、この記事の質問を当ジムに当てはめて答えます。

この記事は、診断や治療をするものではありません。体の変化には個人差があり、どのサービスを選んでも結果は人によって違います。持病のある方・服薬中の方・妊娠中や産後の方は、食事の内容を変える前に、医師の判断を優先してください。


目次

結論|「管理栄養士がいるか」ではなく「どう関わっているか」で選ぶ

オンラインで食事指導を受けたいと考えたとき、「管理栄養士がいるところがいい」と思うのは自然なことです。国家資格を持つ栄養の専門職ですから、頼りたくなるのは当然です。ただ、資格が示しているのは「その名称で行える業務の範囲」で、指導の結果を約束するものではありません。サービスを選ぶ場面では、この「いる・いない」という見方だけでは足りません。理由は2つあります。

同じ「管理栄養士」でも、関わり方は4つに分かれる

1つ目の理由は、「管理栄養士が関わる」と書かれていても、その関わり方がサービスによって大きく違うことです。この記事では、次の4つに分けて考えます。

  1. 在籍|管理栄養士が、そのサービスを運営する組織の中にいる
  2. 提携|外部の管理栄養士や、管理栄養士のいる会社と組んでいる
  3. 監修のみ|メニューや教材を管理栄養士が監修し、日々の指導は別の人が行う
  4. 確認できない|名前や資格は載っているが、実際にどう関わっているかが外から見えない

どれが良い・悪いという話ではありません。大事なのは、自分の課題に対して、管理栄養士がどの場面で関わるのかです。「在籍」と書かれていても、毎日の返信はトレーナーが書いている、ということは十分にありえます。逆に「提携」でも、必要な場面できちんと管理栄養士につながる仕組みがあれば、それで足りる人もいます。4つの形態は、後の章で1つずつ詳しく見ていきます。

資格の違いが効いてくるのは「境界のケース」

2つ目の理由は、トレーナーと管理栄養士の違いが、すべての人に同じように効くわけではないことです。

体脂肪を落としたい、体型を整えたいという一般的な目的なら、食事の量とバランスを整え、続けられる形を探すことが中心になります。ここは、栄養の知識を持つトレーナーでも十分に指導できる範囲です。一方で、持病がある、薬を飲んでいる、妊娠中や授乳中である、健診で数値を指摘された、食べ方のコントロールに強い困りごとがある——こうした「境界のケース」では、資格の違いがはっきり意味を持ちます。さらにその一部は、管理栄養士より先に、医師に相談すべき領域です。

つまり、「管理栄養士がいるか」を確かめる前に、自分がどちらの側にいるのかを考えておくと、選び方がずっと楽になります。

誰に、何を相談するかの早見表

先に、全体像を表にしておきます。それぞれの根拠は、次の章で条文とあわせて説明します。

表1:誰に、何を相談するかの早見表

相談したいこと まず相談する相手 補足
運動のメニュー、続け方、一般的な食事の量やバランス トレーナー 栄養の影響を受ける病気がある場合は、専門職に渡すのが原則
体の状態に合わせた、専門性の高い栄養の指導 管理栄養士 療養のための栄養指導では、主治医の指導を受ける決まりがある
飲んでいる薬と、サプリ・健康食品の飲み合わせ 医師・薬剤師 公的な案内で相談先として挙がっている
診断、治療、治療としての食事の指示 医師 トレーナーも管理栄養士も薬剤師も、診断はしない

この記事で扱うこと、扱わないこと

この記事は「資格」と「関わり方」に絞ります。オンラインの食事指導がいくらくらいか、という料金の話はオンラインパーソナルの料金相場と比べ方に、続けやすさの話は続かない5つの理由と、続ける仕組みのつくり方に任せます。料金の記事では、各社の料金ページを見ても食事指導の担当者の資格までは分からないことが多い、という点を確認しました。この記事は、その続きとして、「では、どう確かめるのか」に答えるためのものです。


資格の業務範囲で見る違い|管理栄養士・栄養士・トレーナー・薬剤師・医師

「管理栄養士とトレーナーの違い」を説明する記事の多くは、「管理栄養士は健康を重視し、トレーナーは結果を重視する」といった役割のイメージで分けています。分かりやすい説明ですが、それぞれの資格が法律でどう定められているかまで踏み込んだものは、ほとんど見かけません。ここでは条文に沿って整理します。

管理栄養士とは|栄養士法が定める「3つの業務」

管理栄養士は、栄養士法という法律で定められた国家資格です。栄養士法第1条第2項は、管理栄養士を次のように定義しています。

「この法律で管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいう。」(栄養士法 第1条第2項)

一文がとても長いので、3つに分けてみます。

  1. 傷病者に対する、療養のための栄養指導(病気やけがのある人への指導)
  2. 個人の身体の状況や栄養状態に応じた、高度な専門知識と技術を要する、健康の保持増進のための栄養指導
  3. 給食施設での給食管理と、その施設への栄養改善の指導(病院や学校、社員食堂など)

オンラインパーソナルトレーニングや食事指導のサービスで関係するのは、主に2つ目です。持病のある人を対象にする場合は、1つ目が関わってきます。

実際に、管理栄養士が働く場はかなり広がっています。厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」は、管理栄養士・栄養士が病院・福祉施設・学校・行政・企業などで働いていることに加えて、「スポーツ選手の栄養管理や食事管理、フィットネスクラブ、食品開発などの場でも活躍しています。」と説明しています。同じページによると、管理栄養士名簿の登録者は累積で28万人(2023年現在)、栄養士免許の取得者は累積で116万人(2022年現在)です。

栄養士との違い|大臣の免許か、知事の免許か

名前が似ている「栄養士」との違いも押さえておきます。栄養士法第1条第1項は、栄養士を次のように定めています。

「この法律で栄養士とは、都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者をいう。」(栄養士法 第1条第1項)

違いを並べると、次のようになります。

  • 免許を出すところ: 栄養士は都道府県知事、管理栄養士は厚生労働大臣(第2条)
  • 国家試験: 管理栄養士の免許は、国家試験に合格した人に与えられます。第5条の2は「厚生労働大臣は、毎年少なくとも一回、管理栄養士として必要な知識及び技能について、管理栄養士国家試験を行う。」と定めています
  • 受験までの道のり: 栄養士の免許を取ったあと、一定の年数、栄養の指導の実務経験を積んでから受験するルートもあります(第5条の3)

北海道庁の解説ページも、管理栄養士を「厚生労働大臣の免許を受けた国家資格」、栄養士を「都道府県知事の免許を受けた国家資格」とし、「2つの資格は名前は似ていますが、業務内容が少し異なります」と説明しています。栄養士の役割は「栄養面から健康な食生活のアドバイザー」、管理栄養士の業務には「傷病者に対する療養のために必要な栄養の指導」などが挙げられています。

つまり、どちらも国家資格ですが、法律上、病気のある人への療養のための指導や、個人の状態に応じた高度な指導を担うと定められているのは管理栄養士です。

「名称独占」とは何か|トレーナーの食事アドバイスと、名乗れない名称

ここが、この記事でいちばん大事な条文です。栄養士法第6条は、次のように定めています。

「栄養士でなければ、栄養士又はこれに類似する名称を用いて第一条第一項に規定する業務を行つてはならない。」
「管理栄養士でなければ、管理栄養士又はこれに類似する名称を用いて第一条第二項に規定する業務を行つてはならない。」(栄養士法 第6条)

違反した場合は、「三十万円以下の罰金」と定められています(第8条)。

注目したいのは、制限されているのが「名称を用いて」業務を行うことだという点です。栄養の指導そのものを資格を持つ人だけに限る規定は、栄養士法にはありません。こうした資格は、一般に「名称独占」の資格と呼ばれます。医師のように「その資格がないと、その業務自体ができない」資格(業務独占)とは、仕組みが違います。

ここから、2つのことが言えます。

  • トレーナーが食事のアドバイスをすること自体は、栄養士法で禁じられているわけではありません。「トレーナーの食事指導は違法」という説明を見かけたら、それは栄養士法の条文の読み方としては正確ではありません(診断や治療にあたる行為は、別に医師法の問題になります)
  • ただし、資格を持たない人が「管理栄養士」や、それに類似する名称を名乗って栄養の指導をすることはできません。どこまでが「類似する名称」にあたるかは個別の判断になるため、この記事では断定しません

もう1つ、見落とされやすい点があります。名称独占ということは、「管理栄養士」と名乗っていない人が食事の指導をしていても、表記の上では何も問題がないということです。言い換えると、サービスの説明に「食事指導あり」と書かれていても、指導する人がどの資格を持っているかは、こちらから聞かないと分からないことが多いのです。

トレーナー資格は民間資格|NSCAの教科書が引く「栄養の助言」の線

では、トレーナーの側はどうでしょうか。

パーソナルトレーナーとして指導するために、法律で必須とされている国家資格はありません。よく名前を見かける資格には、NSCAジャパンが認定するNSCA-CPTや、NESTA JAPANが認定するNESTA-PFTなどがあり、いずれも民間の資格です。NSCAジャパンは、NSCA-CPTを民間の国際資格とし、「健康と体力のニーズに関して、評価・動機づけ・教育・トレーニングやコンディショニング全般の指導を行う」ための資格と説明しています。

興味深いのは、トレーナー資格の団体が、自分たちの教科書の中で「栄養の助言の範囲」を線引きしていることです。NSCAのパーソナルトレーナー向けの教科書(NSCA’s Essentials of Personal Training 第3版)の抜粋では、おおむね次のように整理されています。

  • トレーナーの範囲内: 誤った情報を正すこと。運動パフォーマンス、病気の予防、減量・増量に関する一般的な栄養の助言
  • 専門職に紹介する場合: 糖尿病、心臓の病気、消化器の病気、摂食障害、骨粗しょう症、コレステロールの上昇など、栄養の影響を受ける病気がある場合。こうした人への栄養の情報は「医学的栄養療法(medical nutrition therapy)」と呼ばれ、栄養の専門職の範囲とされています
  • さらに、病気がある場合だけでなく、栄養の問題の複雑さがトレーナーの能力を超える場合にも、栄養の専門職(dietitian)に紹介すべきだとしています

これは米国の教科書の考え方で、日本の法律ではありません。ただ、トレーナー資格の団体自身が、「ここまではトレーナー、ここから先は栄養の専門職」と線を引いていることは、知っておいて損はありません。

民間資格だから信頼できない、という意味ではありません。学習範囲に栄養学を含む資格もありますし、学び続けているトレーナーもたくさんいます。見るべきは資格の名前より、どこまでを自分の範囲とし、どこから先を専門職に渡すかを決めているかです。

薬剤師の領域|薬とサプリ・健康食品の飲み合わせ

食事指導の場面で、意外と見落とされるのが薬との関係です。ダイエット中は、プロテインやサプリメント、健康食品を勧められることがあります。そのとき、すでに飲んでいる薬があったら、誰に相談すればよいのでしょうか。

公的な案内を見ると、答えははっきりしています。消費者庁の健康食品についてのページは、「自己判断での医薬品との併用は避け、不調を感じたら必ず医師・薬剤師などの専門家に相談しましょう。」と呼びかけています。厚生労働省の「健康食品」のページも、「病気等により身体に不安を抱えている方は、事前に摂取の可否等について医療機関に相談してください。」としています。飲み合わせの相談先として名前が挙がっているのは、医師と薬剤師です。

薬剤師については、薬剤師法が定めています。第1条は「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」とし、第20条は「薬剤師でなければ、薬剤師又はこれにまぎらわしい名称を用いてはならない。」と名称の使用を制限しています。

ここで、当ジムの立場として正確に書いておきたいことがあります。薬剤師法第25条の2は、薬剤師が販売・授与の目的で調剤したときに、患者などへ必要な情報を提供し、薬学的知見に基づく指導を行う義務を定めています。ジムでは調剤をしていないので、この条文にいう情報提供や指導を、トレーナーとして行っているわけではありません。私たちにできるのは、薬の知識をふまえて、食事やサプリとの関係で気をつけたい点を整理し、必要に応じて主治医や、薬を受け取っている薬局への相談をすすめるところまでです。薬をやめる・変える・量を調整するといった助言はしません。

サプリメントの選び方そのものは、ダイエット中のサプリメントの選び方にまとめています。

医師の領域|診断・治療・治療としての食事の指示

最後に医師です。医師法第17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定めています。病気を診断すること、治療すること、治療としての食事を指示することは、医療の領域です。

ここで先ほどの栄養士法に戻ると、管理栄養士についても、次の規定があります。

「管理栄養士は、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導を行うに当たつては、主治の医師の指導を受けなければならない。」(栄養士法 第5条の5)

つまり、病気のある人への療養のための栄養指導は、管理栄養士であっても主治医の指導のもとで行うと定められています。トレーナーも、薬剤師も、管理栄養士も、診断はしません。治療中の方の食事は、まず主治医の指示が出発点になります。

資格ごとの業務範囲を一覧にする

ここまでの内容を、1つの表にまとめます。

表2:資格ごとの業務範囲と、オンラインパーソナルでの役割

資格 資格の種類 根拠となる条文 名乗れる名称の制限 オンラインパーソナルでの主な役割
管理栄養士 国家資格(厚生労働大臣の免許) 栄養士法 第1条第2項・第5条の5・第6条 あり(名称独占) 個人の状態に応じた専門性の高い栄養指導。療養のための指導は主治医の指導のもとで
栄養士 国家資格(都道府県知事の免許) 栄養士法 第1条第1項・第6条 あり(名称独占) 栄養の指導。健康な食生活のアドバイス
トレーナー 民間資格が中心(必須の国家資格はない) 法律上の定めはない なし 運動の指導と、一般的な栄養の助言。病気がある場合は専門職に渡すのが原則
薬剤師 国家資格 薬剤師法 第1条・第20条 あり 薬と食品・サプリの関係の相談。ジムでは調剤していない
医師 国家資格 医師法 第17条・第18条 あり(業務独占でもある) 診断・治療・治療としての食事の指示
管理栄養士・栄養士・トレーナー・薬剤師・医師の業務範囲の比較

薬剤師トレーナーの視点では——栄養士法の第6条と、薬剤師法の第20条を並べて読むと、どちらも「◯◯でなければ、◯◯又はこれに類似する(まぎらわしい)名称を用いて」という、よく似た形をしています。資格というのは「何ができるか」を示すものであると同時に、「その名前で何を引き受けるか」と「どこから先をほかの専門職に渡すか」を決めるものだと私は考えています。私は薬剤師ですが、診断はできませんし、管理栄養士の業務を代わりに引き受けることもしません。トレーナーとして食事の相談に乗るときも、それは一般的な栄養の助言の範囲です。持病や服薬がある方なら、まず主治医の指示を確認し、薬との関係で気になる点を整理して、必要なら医師や薬局の薬剤師に戻す。自分の資格の限界を同じ温度で話せるかどうかは、ほかの専門職を見るときにも使える物差しです。


トレーナーだけの食事指導と、管理栄養士が関わる指導の違い

条文で資格の範囲を整理したところで、実際の指導の場面に戻ります。「トレーナーの食事指導」と「管理栄養士が関わる食事指導」は、何が違うのでしょうか。

よくある説明「管理栄養士は健康重視、トレーナーは結果重視」は半分正しい

この違いについて、よく引用される説明があります。管理栄養士は将来にわたって健康を保つ食事を考え、トレーナーはその日のトレーニングや目先の結果にコミットした食事を考える——という対比です。管理栄養士自身が、ボディメイクの大会での経験をもとに、こうした違いを書いている文章もあります。

この説明は、半分は正しいと私たちは考えています。管理栄養士は、法律上も「健康の保持増進」や「療養」のための栄養指導を担う資格ですから、健康を軸に考えるのは自然です。トレーナーは、運動の成果を出すことを仕事にしているので、見た目や体組成の変化に目が向きやすい面はあります。

ただし、この二分論だけでは、サービスを選ぶことができません。健康を重視するトレーナーもいますし、ボディメイクに詳しい管理栄養士もいます。「どちらが良いか」ではなく、「自分の課題がどちらの範囲にあるか」で考えたほうが、判断がしやすくなります。

違いが出るのは「境界のケース」

前の章でNSCAの教科書の「紹介すべき場合」を紹介しました。これを、実際によくある状況に置き換えると、次のようになります。

  • 持病がある(栄養の影響を受ける病気で、通院している)
  • 薬を飲んでいる(とくに、食事やサプリとの関係で気をつけるよう言われている薬)
  • 妊娠中・授乳中である
  • 健診で数値を指摘された(受診をすすめられている場合を含む)
  • 食べ方のコントロールに強い困りごとがある(食べ過ぎと極端な制限をくり返す、など)

こうした状況では、一般的な減量の助言が、そのまま当てはまらないことがあります。ここが、資格の違いが実際に意味を持つ場面です。

ただし、この記事では「◯◯という病気の人は管理栄養士へ」と診断名で振り分けることはしません。同じ病名でも、治療の状況や主治医の方針によって、食事で気をつけることは変わるからです。医師の管理下にある場合は、主治医の指示が最優先です。そのうえで、主治医の方針に沿った食事の工夫を、管理栄養士と相談する、という順番になります。

トレーナー指導の強み|運動と食事を同じ人が見られる

公平のために、トレーナーが食事を見ることの強みも書いておきます。

  • 運動量と食事を、同じ人が見て調整できる。トレーニングの量を増やした週は食事を少し増やす、疲れがたまっている週は負荷を落とす、といった判断を一人で完結できます
  • 毎回のセッションの中で、食事の話ができる。わざわざ別の窓口に連絡しなくても、トレーニングのついでに「昨日の外食、どうでしたか」と話題にできます
  • 体の変化を、トレーニングの様子と合わせて見られる。体重が落ちているのに、動きが重い。そうした変化に気づきやすいのは、毎回の運動を見ている人です

一般的な減量やボディメイクの範囲であれば、こうした強みが生きます。監督の有無による違いを調べたメタ分析では、筋力には差が出た一方で、身体組成の差はごくわずかだった(SMD 0.07)と報告されています(Fisher JP, et al. 2022)。体つきの変化には、セッション中の監督より、食事を含めたセッション外の設計が大きく関わる、と読むこともできます。詳しくはオンラインパーソナルで効果が出る条件で扱っています。また、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、エネルギー必要量には個人差の要因が多く、単一の値で示すのは難しいとされています。一律のメニューを渡すだけでは足りないという点は、トレーナーでも管理栄養士でも変わりません。

研究で見る、管理栄養士が関わる減量支援

では、管理栄養士が関わると、結果に違いは出るのでしょうか。2本の系統的レビューを紹介します。

1本目は、Williamsらの2019年のレビューです。管理栄養士による個別の相談を、通常のケア(ほかの職種による助言や、資料の配布など)と比べた14件のランダム化比較試験を集め、体重を分析した5研究(1,598人)では、通常のケアより体重が平均で1.03kg多く減り、BMIを分析した4研究(1,224人)では0.43kg/m²多く下がったと報告されています。ただし、バイアスのリスクは7研究が「不明」、7研究が「高」と評価され、著者自身が、効果は比較的小さく、約1kgでは臨床的な意義は限られると書いています。この研究の詳しい読み方は、料金の記事で扱いました。

2本目は、Morgan-Bathkeらの2023年のレビューです。過体重・肥満の成人を対象に、管理栄養士(海外の制度で、日本の管理栄養士に相当する資格者)が関わる体重管理の介入を調べた62件のランダム化比較試験を分析しています。このうち31件は管理栄養士だけで、31件は管理栄養士を含む多職種のチームで行われた介入です。対照と比べた主な結果は次のとおりです。

  • 体重減少率(体重の何%が減ったか): 対照より4.01ポイント大きかった(エビデンスの確実性:高)
  • ウエスト周囲径: 3.45cm多く減った(確実性:高)
  • BMI: 1.5多く下がった(確実性:中)
  • 収縮期血圧: 3.04mmHg多く下がった(確実性:中)

著者は、過体重・肥満の成人に対して、管理栄養士が提供する体重管理の介入は、いくつかの心血管・代謝の指標と生活の質を改善するのに有効だと結論づけています。

管理栄養士が関わる減量支援の研究結果(Williams 2019とMorgan-Bathke 2023)

数字だけを見ると大きな差に見えるかもしれませんが、読むときに注意したい点がいくつかあります。

  • 対象は過体重・肥満の成人です。すでに標準体型で、体型を整えたいという人にそのまま当てはまるものではありません
  • 半数は多職種のチームによる介入です。「管理栄養士だけの効果」とは言えません
  • 研究ごとのばらつき(異質性)が非常に大きく(I²はおよそ93〜97%)、BMIと血圧では出版バイアスが見られたこと、割付の隠蔽(どの群に入るかを研究者に分からないようにする手順)の記載がない研究が多いことも指摘されています
  • 海外の「dietitian」は、日本の管理栄養士と制度が同じではありません

つまり研究が示しているのは、「管理栄養士が関わる減量支援には、通常のケアと比べて差が報告されている」というところまでです。「管理栄養士がつけば痩せる」「何kg痩せる」という話ではありません。

オンラインだけの介入は効果量が小さかった——組み合わせは対面に近い

Morgan-Bathkeらのレビューには、オンラインのサービスを考えるうえで、避けて通れない結果があります。実施の形で分けて分析したところ、次のような結果だったのです。

  • 遠隔(テレヘルス)だけで行った介入は、対面で行った介入より効果量が小さかった(BMIとウエスト周囲径で)
  • 対面と遠隔を組み合わせた介入の結果は、遠隔だけの介入より、対面の介入に近かった

ただし著者は、こうした分け方の比較は、差が統計的・臨床的に意味のあるものだと示すわけではない、とも断っています。

オンラインで指導をしている私たちにとって、これは不利な結果です。でも、隠すべきではないと考えています。これはオンラインの食事指導に意味がないという話ではありません。ただ、「画面越しだけ」で完結させる形には限界がありうることを、この研究は示唆しています。

ここから考えられる選択肢の1つが、最初や節目だけ対面を入れるという使い方です。オンラインを中心にしながら、体の状態を確かめたいタイミングで対面のセッションを組む。こうした併用の考え方は、オンラインパーソナルトレーニングに向いてる人・向いてない人でも整理しています。なお、この研究は食事指導の介入を調べたもので、パーソナルトレーニングの併用そのものを調べたものではありません。併用にすれば効果が上がると保証するものではないことも添えておきます。

※この章で紹介した研究は、過体重・肥満の成人を主な対象としたもので、海外の制度の資格者が関わった介入を含みます。結果には個人差があり、特定のサービスの効果を示すものではありません。


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「管理栄養士が関わる」の4つの形態|在籍・提携・監修のみ・確認できない

ここからが、この記事の中心です。冒頭で挙げた4つの形態を、1つずつ見ていきます。それぞれ、強みと、申し込む前に確かめたいことを並べます。なお、ここで書くのは一般的な整理で、特定のサービスを評価するものではありません。

在籍|同じ組織の中にいる

管理栄養士が、そのサービスを運営する会社やジムの中にいる形です。社員やスタッフとして働いている場合が多いでしょう。

強みは、トレーナーと管理栄養士が同じ組織にいるので、情報を共有しやすいことです。トレーニングの様子と食事の記録を、同じチームで見られる可能性があります。

確かめたいことは、「在籍」が日々の担当まで意味しているかどうかです。

  • 毎日の食事への返信は、管理栄養士が書いているのか、トレーナーが書いているのか
  • 管理栄養士は、何人の利用者を見ているのか(一人が多くの人を担当していると、返信の頻度や細かさに影響しうる)
  • 管理栄養士に相談できるのは、どの場面か

「管理栄養士の資格を持ったスタッフも在籍」といった書き方も見かけます。これは、管理栄養士が組織にいることは示していますが、あなたの担当になるかどうかまでは示していません。在籍していても、日々の担当はトレーナーで、管理栄養士は教材づくりや社内の勉強会を担っている、という形も考えられます。それが悪いわけではありませんが、期待と違えば不満の原因になります。

提携|外部の管理栄養士・会社と組む

ジムやサービスが、外部の管理栄養士個人や、管理栄養士の食事指導サービスを運営する会社と組む形です。パーソナルジムが、管理栄養士によるオンライン食事指導の会社と提携したことを公表している例もあります。

強みは、自社で管理栄養士を雇わなくても、食事指導を専門にしている事業者と組めることです。トレーニングはジム、食事の専門的な部分は提携先、と役割を分けられます。

確かめたいことは、提携の中身です。

  • 提携先の管理栄養士は、どの場面で関わるのか(最初の食事設計、定期的な見直し、個別の相談、教材の監修など)
  • トレーナーと管理栄養士のあいだで、情報はどう受け渡されるのか
  • 自分の食事や体の情報が外部に渡る場合、個人情報はどう扱われるのか

提携は、在籍より関わりが薄いと決めつける必要はありません。逆に、在籍より手厚いと考える根拠もありません。どちらも、中身を聞いて初めて分かるというのが実際のところです。

監修のみ|メニューや教材を監修し、日々の指導は別の人

管理栄養士が、食事のメニュー、レシピ、教材、アプリの内容などを「監修」し、日々の指導はトレーナーなど別の人が行う形です。「管理栄養士監修」という表記は、この形を指していることが多いと考えられます。

強みは、提供される内容の方向性を、栄養の専門職が確認していることです。レシピや食事の目安が、根拠の乏しい極端なものになりにくい、という意味はあります。

確かめたいことは、次の3つです。

  • 何を監修したのか(メニュー全体か、一部の教材か、アプリの表示か)
  • いつ監修したのか(サービス開始時に一度だけか、定期的に見直しているか)
  • 個別の相談はできるのか、できないのか

監修は、あくまで内容の確認です。あなた個人の食事を、管理栄養士が見ているという意味ではありません。一般的な減量が目的で、トレーナーの指導を受けながら、監修された教材を参考にする——という使い方なら、それで十分なこともあります。

確認できない|名前は載っているが、関わりが見えない

4つ目は、サービスの説明に管理栄養士の名前や資格が載っているものの、実際にどう関わっているのかが、外からは確認できない状態です。

ここで「名ばかり」と決めつけることはしません。説明が足りないだけで、実際にはきちんと関わっている場合もあるからです。ただ、確認できないまま申し込むと、「管理栄養士に相談できると思っていたのに、実際は違った」というずれが起こりえます。確認できない状態は、そのまま質問のリストに回してください。次の章の質問を投げて、具体的な答えが返ってくれば、それで判断できます。

4つの形態を一覧にする

表3:管理栄養士が関わる4つの形態の比較

形態 日々の担当者 管理栄養士に個別に相談できるか 強み 確認する質問
在籍 管理栄養士の場合も、トレーナーの場合もある サービスによる 同じ組織で情報を共有しやすい 毎日の返信は誰が書くか/相談できる場面
提携 トレーナーが中心の場合が多い サービスによる 専門の事業者と組める 関わる場面/情報の受け渡し/個人情報の扱い
監修のみ トレーナーなど別の人 通常は想定されていない 内容の方向性を専門家が確認 何を・いつ監修したか/個別相談の可否
確認できない 不明 不明 ― 関わり方を具体的に説明できるか
管理栄養士が関わる4つの形態(在籍・提携・監修のみ・確認できない)の比較

どの形態が「良い」ではなく、自分の課題に合うか

4つの形態を並べると、「在籍がいちばん良い」と感じるかもしれません。でも、そうとは限りません。自分の課題がどこにあるかで、必要な形は変わります。

  • 一般的な減量・ボディメイクが目的なら、トレーナーの指導に、監修された教材や提携先の助言が加わる形でも、十分に成り立つことがあります
  • 境界のケース(持病・服薬・妊娠授乳・健診の数値の指摘など)にあるなら、管理栄養士に個別に相談できる場面がある形を選びたいところです。そのうえで、主治医の指示が最優先になります
  • 食事の相談だけをしたいなら、管理栄養士が担当する食事指導の専門サービスを選ぶ、という選択肢もあります

大事なのは、表記と実態がずれていないかです。「在籍」と書かれていて、実際に管理栄養士が日々の返信を書いているなら、その表記どおりです。「提携」と書かれていて、どの場面で関わるかを説明できるなら、それも表記どおりです。

薬剤師トレーナーの視点では——4つの形態に、優劣はないと私は考えています。問題になるのは、表記と実態がずれているときです。薬の世界でも、同じ有効成分の薬でも、どう使われるかで意味が変わります。「管理栄養士」という言葉も、どの場面で、誰に対して使われているのかで、意味がまったく変わります。だから、表記を読むだけで終わらせず、「それは具体的に、私の場合どうなりますか」と一歩踏み込んで聞いてください。私たち自身も提携の形をとっています。だからこそ、提携先がどの場面で関わるのかを聞かれたときに、具体的に答えられることが大事だと考えています。


申し込み前に確認する質問|オンラインパーソナルの担当者と資格の見分け方

形態の違いが分かったら、次は確かめ方です。ここでは、担当者・資格・関わり方に絞った質問を8つ用意しました。料金や解約、続けやすさについての質問は、ほかの記事で扱っているので、ここでは入れていません。体験やカウンセリングで聞く質問の全体像は、料金の記事や続けやすさの記事もあわせてご覧ください。

申し込み前にオンラインパーソナルへ質問を送る女性

それぞれ、質問文/望ましい答え/注意したい答えの順で書きます。

質問1「毎日の食事への返信は、どなたが書いていますか? その方は、どんな資格をお持ちですか?」

  • 望ましい答え: 担当する人の立場と資格名を、具体的に答える。トレーナーが担当する場合も、そう答える
  • 注意したい答え: 「管理栄養士が在籍しています」とだけ答え、日々の担当者が誰かに触れない

いちばん大事な質問です。担当がトレーナーであること自体は、問題ではありません。誰が見ているかをはっきり答えられるかどうかを見てください。

質問2「管理栄養士に相談できる場面はありますか? どのくらいの頻度で、どんな手段(チャット・ビデオ通話など)ですか?」

  • 望ましい答え: 相談できる場面・回数・手段を具体的に答える。相談できない場合は、できないとはっきり答える
  • 注意したい答え: 「必要に応じて対応します」で終わり、場面や手段が出てこない

質問3「『管理栄養士監修』とありますが、何を、いつ監修されたものですか?」

  • 望ましい答え: 監修の対象(メニュー・教材・アプリなど)と時期、見直しの有無を答える
  • 注意したい答え: 「すべて管理栄養士監修です」と、対象が曖昧なまま答える

質問4「トレーナーと管理栄養士のあいだで、私の情報はどう共有されますか?」

  • 望ましい答え: 共有する情報の範囲と方法、外部に渡る場合の個人情報の扱いを説明できる
  • 注意したい答え: 「連携しているので大丈夫です」とだけ答える

質問5「持病や服薬がある場合、妊娠中・授乳中の場合は、どういう流れになりますか?」

  • 望ましい答え: 「まず主治医の指示を確認していただき、その範囲で◯◯します」と、医師が判断することと、自分たちができることの線を引いて答える
  • 注意したい答え: 「大丈夫です、みなさん同じメニューでできています」

質問6「サプリやプロテインを勧めていただくとき、私が飲んでいる薬との関係は、どなたが確認しますか?」

  • 望ましい答え: 飲んでいる薬を確認したうえで、飲み合わせは医師・薬剤師に相談するよう案内する、と答える
  • 注意したい答え: 薬のことを聞かずに、特定の商品の購入をすすめる

公的な案内で、飲み合わせの相談先に挙がっているのは医師と薬剤師でした。管理栄養士でもトレーナーでもありません。薬について聞かれないまま商品をすすめられたら、いったん立ち止まってください。

質問7「資格を確認する方法はありますか?」

  • 望ましい答え: 資格の登録を示すもの(登録証など)を見せられるか、確認の方法を説明できる
  • 注意したい答え: 「信用してください」で終わる

質問8「契約が終わったあと、自分で食事を判断できるようになることを目標にしていますか?」

  • 望ましい答え: 外食や家族の食事を前提にした選び方、量の調整の仕方など、卒業後も使える判断の基準を身につけることを目標にしている
  • 注意したい答え: 「期間中は、こちらのメニューどおりに食べてください」で終わる

最後の質問は、資格とは直接関係ありません。ただ、管理栄養士がいるかどうかより、卒業したあとに何が残るかのほうが、長い目で見ると大きな違いになることがあります。

資格の確かめ方

質問7について、補足します。資格によって、確かめ方が違います。

  • 薬剤師: 厚生労働省の「薬剤師資格確認検索システム」で、氏名と性別を入力すると、薬剤師名簿への登録の有無などを誰でも検索できます(氏名は名簿に登録された表記どおりに入力する必要があります)
  • 管理栄養士: 厚生労働省の免許申請の案内には、「名簿登録状況について、電話等で照会することはできません。」と書かれています。薬剤師のような一般向けの検索の仕組みは、この記事の時点では見当たりませんでした。確かめたい場合は、サービス側に、登録証(免許証)の提示や、氏名と登録の有無を示してもらえるかを聞くことになります

資格を確かめることは、失礼なことではありません。国家資格の名称は法律で守られているものなので、名乗っている資格を確かめたいというのは、自然な質問です。

スクリーンショット用のチェック表

表4:担当者と資格の確認チェック表

番号 聞くこと(要点) 答え ○△×
1 毎日の返信は誰が書くか、その資格    
2 管理栄養士に相談できる場面・頻度・手段    
3 監修の対象と時期    
4 情報の共有と個人情報の扱い    
5 持病・服薬・妊娠授乳のときの流れ    
6 薬とサプリの関係は誰が確認するか    
7 資格を確認する方法    
8 卒業後に自分で判断できることを目指すか    

この表をスクリーンショットして、問い合わせやカウンセリングの手元に置いてください。2社以上に同じ質問を送ると、答え方の差がはっきり出ます。


管理栄養士より先に「医師」に相談したいケース

ここまで、管理栄養士とトレーナーの違いを見てきました。ただ、状況によっては、どちらよりも先に、医師に相談すべき場合があります。

まず主治医に相談したい5つの状況

次のような状況にある方は、オンラインパーソナルや食事指導のサービスを探す前に、まず主治医に相談してください。

  1. 治療中・服薬中で、食事について主治医から指示を受けている
  2. 健診で、受診をすすめられている(まだ受診していない場合を含む)
  3. 妊娠中である
  4. 原因の分からない体重減少や、体調不良が続いている
  5. 食べ方に強い困りごとがある(食べることへの不安が強い、極端な制限と食べ過ぎをくり返す、など)

前の章で見たとおり、管理栄養士であっても、病気のある人への療養のための栄養指導は、主治医の指導を受けて行うと定められています(栄養士法 第5条の5)。診断や治療は医師の領域です(医師法 第17条)。順番としては、医師 → 管理栄養士 → トレーナーと考えると分かりやすくなります。

なお、授乳中の方や、健診で数値を指摘されたものの、受診まではすすめられていない方は、上の5つには入りませんが、前の章でふれた「境界のケース」にあたります。この場合は、管理栄養士に個別に相談できる場面がある形を選び、迷ったときは主治医や助産師に確認してください。

トレーナー・管理栄養士・医師、誰に相談するかの判断フロー

特定保健指導の案内が来た方は、まずそれを使う

健診のあとに「特定保健指導」の案内が届いた方は、まずそれを利用することをおすすめします。厚生労働省は、特定保健指導について、「生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします。」と説明しています。

つまり、公的な保健指導の担い手には、もともと管理栄養士が含まれています。民間のサービスにお金を払う前に、まず使える公的な仕組みです。そのうえで、運動も含めてもう少し本格的に取り組みたいと感じたら、民間のサービスを検討する、という順番でも遅くありません。

管理栄養士を探す公的な窓口

医療機関にかかるほどではないけれど、管理栄養士に食事の相談をしたい、という方には、日本栄養士会の「栄養ケア・ステーション」という窓口があります。日本栄養士会と都道府県の栄養士会が全国に展開している仕組みで、地域の栄養相談などの支援を行っています。お住まいの地域の窓口や利用の方法は、日本栄養士会のページで確認してください。

この場合、私たちはオンラインパーソナルを先におすすめしません

はっきり書いておきます。上の5つの状況にある方に、私たちはオンラインパーソナルを先におすすめしません。まず主治医に相談し、運動や食事をどこまで変えてよいかの方針を確かめてください。主治医の許可が出たあとで、その範囲で運動や食事の習慣づくりをお手伝いすることはできます。順番を逆にしないことが、遠回りに見えていちばんの近道です。

※この章は一般的な情報の整理であり、個別の診断や受診の要否を判断するものではありません。体調に不安がある場合は、医療機関に相談してください。


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RBDジムの場合|薬剤師トレーナー+在籍する管理栄養士

この記事では「関わり方を確かめてください」と書いてきました。最後に、同じことを私たち自身に当てはめます。

形態は「在籍」です

RBDジムには管理栄養士が在籍しています。食事・栄養指導は全コースに含まれます。ただ、この記事で書いてきたとおり、「在籍」という言葉だけでは、日々の担当が誰かまでは分かりません。そこは下の表のとおり、カウンセリングで具体的にお尋ねください。

トレーナー(白木勝也)は東京大学薬学部を卒業し、薬剤師の国家資格を持っています。ただし、薬剤師は栄養指導の資格でも、トレーニング指導の資格でもありません。ここも自分から書いておきます。

前の章の質問に、当ジムが答えると

表5:担当者と資格の質問への当ジムの答え(2026年10月時点)

質問 当ジムの答え
1 毎日の返信は誰が書くか この記事の時点では書面で確認が取れていないため、ここには書きません。カウンセリングでお尋ねください
2 管理栄養士に相談できる場面 管理栄養士が在籍しています。どの場面で関わるかは、カウンセリングでお尋ねください
3 監修の対象と時期 この記事では書きません。カウンセリングでお尋ねください
4 情報の共有 カウンセリングでお尋ねください
5 持病・服薬・妊娠授乳のとき 運動してよいか、食事をどこまで変えてよいかの判断は主治医です。主治医に確認したうえでお伝えください
6 薬とサプリの関係 飲んでいる薬をお聞きし、薬の知識をふまえて気をつけたい点を整理します。飲み合わせの最終的な確認は、主治医や、薬を受け取っている薬局の薬剤師への相談をおすすめします
7 資格の確認 薬剤師の資格は、厚生労働省の検索システムで誰でも確認できる仕組みがあります。管理栄養士の資格の確認方法は、カウンセリングでお尋ねください
8 卒業後の判断 一生使える食事の考え方を持ち帰っていただくことをゴールにしています

「カウンセリングでお尋ねください」が多い表になりました。答えを作って書くより、確認できていないことは確認できていないと書くほうが、この記事の趣旨に合うと考えたからです。カウンセリングでは、ぜひこの記事の質問をそのまま投げてください。

薬剤師トレーナーとして、できること・できないこと

薬剤師の資格を持つトレーナーとして、私たちにできることと、できないことを分けておきます。

できること

  • 服薬中の方や既往歴のある方について、薬の知識をふまえて、食事やサプリとの関係で配慮が必要な点を整理する
  • 必要に応じて、主治医や薬局の薬剤師に相談するようすすめる
  • 主治医の判断の範囲で、運動と食事の習慣を組み立てる

できないこと

  • 診断をすること、病気を治療すること
  • 薬をやめる・変える・量を調整するといった助言をすること
  • 運動してよいかどうかを判断すること(主治医が判断します)
  • 管理栄養士の業務を代わりに行うこと

食事・栄養指導と料金

  • 食事・栄養指導は、全コースに含まれます
  • 運動はせず、食事の相談だけをしたい場合も、ご相談いただけます(正式なプランや料金としては用意していません)
  • オンラインは回数券制・オーダーメイドで、1回の時間を固定していません
  • 12回88,000円/18回118,000円/24回148,000円(すべて税込・2026年10月時点)。入会金は0円です。料金は変わる場合があります

熊本近郊なら、対面と組み合わせられる

当ジムの店舗は、熊本市南区出仲間9-5-10 スペーシアビル4Fにあります。熊本近郊にお住まいの方は、オンラインと対面を組み合わせて受けることができます。

前の章で、Morgan-Bathkeらのレビューでは、遠隔だけの介入より、対面と組み合わせた介入のほうが対面に近い結果だったことを紹介しました。この研究は当ジムの指導を調べたものではないので、「だから当ジムは効果が高い」とは言えません。ただ、最初や節目だけ対面で体の状態を確かめる、という選び方ができることはお伝えしておきます。熊本で通う場合とオンラインの使い分けは、熊本で通う場合とオンラインの使い分けにまとめています。

  • オンラインの体験・カウンセリング60分は無料(カウンセリング30分+体験30分)
  • 店舗での対面の体験は500円
  • オンラインのセッションは、21時以降や早朝もご相談いただけます(お電話の受付は11:00〜21:00)

薬剤師トレーナーの視点では——私たちが食事指導でいちばん大事にしているのは、契約が終わったあとに、ご自身で食事を判断できる基準を持ち帰っていただくことです。薬の世界では、患者さんが自分の薬を理解して、正しく使い続けられることが大事にされます。食事も同じで、期間中だけメニューどおりに食べても、卒業した翌月から元に戻ってしまっては意味がありません。外食の日はどう選ぶか、家族と同じものを食べながらどう量を調整するか。そうした判断の基準を一緒に作っていくことが、私たちの考える「一生使える食事管理術」です。当ジムのメソッドがリバウンドしにくい設計を目指しているのも、この考え方にもとづいています。もちろん、体の変化には個人差があり、結果をお約束するものではありません。


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よくある質問(FAQ)

Q. トレーナーが食事指導をするのは、違法ではないのですか?

A. 栄養士法が制限しているのは、管理栄養士や栄養士の「名称を用いて」業務を行うことです(第6条)。栄養の指導そのものを資格者だけに限る規定は栄養士法にはないため、トレーナーが一般的な食事のアドバイスをすること自体は、栄養士法で禁じられているわけではありません。ただし、資格を持たない人が「管理栄養士」や、それに類似する名称を名乗ることはできません。また、病気の診断や治療としての食事の指示は医療の領域です。

Q. 栄養士と管理栄養士、どちらでもいいですか?

A. どちらも国家資格ですが、栄養士は都道府県知事の免許、管理栄養士は国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受けた資格です。法律上、病気のある人への療養のための栄養指導や、個人の状態に応じた高度な栄養指導を担うと定められているのは管理栄養士です。一般的な減量の範囲なら、どちらか一方に決めなくても構いません。境界のケース(持病・服薬・妊娠授乳など)にある方は、管理栄養士や医師に相談できる形を選んでください。

Q. 管理栄養士がついていれば痩せますか?

A. 研究では、管理栄養士が関わる減量支援で、通常のケアと比べて差が報告されています。ただし、Williamsらのレビューでは体重の差は約1kgで、著者自身が臨床的な意義は限られると書いています。Morgan-Bathkeらのレビューでは差が報告されていますが、対象は過体重・肥満の成人で、半数は多職種チームの介入です。管理栄養士がつくことで、体重の変化が約束されるわけではありません。結果には個人差があります。

Q. 持病があり、薬を飲んでいます。オンラインで食事指導を受けても大丈夫ですか?

A. まず主治医に相談してください。食事をどこまで変えてよいか、運動してよいかは、主治医が判断することです。サプリや健康食品を一緒にとる場合の飲み合わせは、医師・薬剤師に相談するよう公的な案内でも呼びかけられています。主治医の方針が決まったうえで、その範囲で食事指導を受ける、という順番にしてください。

Q. 授乳中でも食事指導を受けられますか?

A. 受けられるかどうかは、サービスによって違います。授乳中は、体の状態に合わせた配慮が必要な時期です。主治医や助産師の判断を優先し、自己流の極端な食事制限はしないでください。申し込む前に、授乳中であることを伝え、どういう流れになるか(質問5)を確認しておくと安心です。

Q. 食事指導だけを受けることはできますか?

A. 世の中には、食事指導を専門にしたオンラインサービスもあり、管理栄養士が担当するものもあります。当ジムについては、食事指導だけのプランは用意していませんが、ご相談いただけます。トレーニングを含む全コースには、食事・栄養指導が含まれています。

Q. 管理栄養士の資格は、どうやって確かめればいいですか?

A. 厚生労働省の案内では、管理栄養士の名簿登録状況は電話等で照会できないとされています。薬剤師のような一般向けの検索の仕組みは、この記事の時点では見当たりませんでした。確かめたい場合は、サービス側に登録証の提示や、氏名と登録の有無を示してもらえるかを聞いてください。薬剤師の資格は、厚生労働省の検索システムで誰でも確認できます。

Q. オンラインだけでも大丈夫ですか?

A. Morgan-Bathkeらのレビューでは、遠隔だけで行った食事指導の介入は、BMIとウエスト周囲径で対面より効果量が小さく、対面と遠隔を組み合わせた介入は対面に近い結果でした(差が統計的に意味のあるものかまでは示されていません)。オンラインに意味がないという話ではありませんが、画面越しだけで完結させる形には限界がありうることは知っておいてください。お住まいの近くに店舗がある事業者なら、最初や節目だけ対面を入れる、という選び方もあります。


まとめ|「いるか」より「どう関わるか」を聞く

オンラインパーソナルトレーニングと管理栄養士の関係を、資格と関わり方の2つの面から整理しました。

  • 見るべきは、管理栄養士がいるかどうかより、「どの形で、自分のどの課題に関わるか」。関わり方には、在籍・提携・監修のみ・確認できない、の4つの形がある
  • 管理栄養士は名称独占の国家資格。トレーナーが一般的な食事のアドバイスをすること自体は栄養士法で禁じられていないが、管理栄養士を名乗ることはできない
  • 資格の違いが効いてくるのは境界のケース。持病・服薬・妊娠授乳・健診の数値の指摘などでは、その一部が管理栄養士より先に医師の領域になる
  • 研究では、管理栄養士が関わる減量支援で差が報告されている。ただし、遠隔だけの介入は対面より効果量が小さかった
  • 薬とサプリの飲み合わせは、医師・薬剤師に相談する

今日できることは1つです。気になっているサービスに、質問1「毎日の食事への返信は、どなたが書いていますか?」と、質問2「管理栄養士に相談できる場面はありますか?」を送ってみてください。返ってくる答えで、表記の裏にある関わり方が見えてきます。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療、法律相談、効果の保証をするものではありません。結果には個人差があります。引用した研究は過体重・肥満の成人や海外の制度の資格者を対象としたもので、一般のボディメイクにそのまま当てはめられるものではありません。持病のある方・服薬中の方・妊娠中や産後の方は、開始前に医師の判断を優先してください。


この記事の質問を、RBDジムのカウンセリングで使ってみてください

「管理栄養士が在籍しています」と書いた当ジムにも、この記事の質問をそのまま投げてください。答えを聞いたうえで、他社と比べる材料にしていただければ十分です。

  • オンラインの体験・カウンセリング60分は無料(カウンセリング30分+体験30分)
  • 回数券制・オーダーメイド。12回88,000円/18回118,000円/24回148,000円(すべて税込・2026年10月時点)。全コースに食事・栄養指導が含まれ、入会金は0円です
  • 東大薬学部卒・薬剤師の資格を持つトレーナーが指導します(持病や服薬のある方は、運動してよいかを主治医に確認したうえでご相談ください)
  • 管理栄養士が在籍しています。どの場面で関わるかは、カウンセリングでお尋ねください
  • 21時以降や早朝のセッションもご相談いただけます(お電話の受付は11:00〜21:00)
  • オンラインの詳細・お申し込み: オンライン指導の流れと料金を見る

熊本市やその近郊にお住まいの方は、〒862-0963 熊本県熊本市南区出仲間9-5-10 スペーシアビル4Fの店舗で、対面と組み合わせることもできます。なお、上記の「無料」はオンラインの体験・カウンセリングについてのご案内で、店舗での対面の体験は500円です。

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入会金0円/体験・カウンセリング(60分)は無料です


主な参考・出典(2026年10月時点)

公的機関・法令

  • e-Gov法令検索「栄養士法」(昭和22年法律第245号) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000245
  • e-Gov法令検索「薬剤師法」(昭和35年法律第146号) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000146
  • e-Gov法令検索「医師法」(昭和23年法律第201号) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「管理栄養士・栄養士」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-022.html
  • 北海道 保健福祉部「管理栄養士・栄養士の仕事」 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/eiyoushishikaku.html
  • 厚生労働省「管理栄養士免許の申請について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/kanrieiyoushimenkyo_15785.html

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文責

白木 勝也
RBDジム オーナー・トレーナー
東大薬学部卒・薬剤師国家資格保有。熊本市南区を拠点に、理論に基づいた「リバウンドしにくい設計を目指したメソッド」で多くの女性のボディメイクをサポート。

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