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姿勢矯正の効果7選|見た目・健康・パフォーマンスが変わる

2026.07.26
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「姿勢が悪いとよく言われる」「写真に写った自分の猫背にがっかりする」「姿勢を整えると本当に良いことがあるの?」——デスクワークやスマホが日常になった今、こうした疑問を持つ方はとても多くいらっしゃいます。

結論からお伝えします。姿勢を整えると、見た目・健康・パフォーマンスという3つの面で、さまざまなメリットが期待できるとされています。ただし、その効果の感じ方には個人差があり、「必ずこうなる」と保証できるものではありません。

この記事では、東大薬学部卒・薬剤師トレーナーの視点から、姿勢矯正の効果を「7つのメリット」に整理し、それぞれが「なぜ良いとされるのか」を体のしくみ・出典とともに誠実に解説します。あわせて、「効果はいつから出るのか」「どうすれば効果を実感しやすいのか」、そしてセルフケアではなく受診を優先すべきサインも整理しました。

はじめに大切な前提をお伝えします。本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、特定の病気の診断・治療を目的とするものではありません。姿勢矯正は「必ず不調が治る」ものではなく、あくまで体の使い方や負担のかかり方を整えていくための考え方です。痛みやしびれがある場合、後述のサインに当てはまる場合は、自己判断でケアを続けず医療機関の受診を優先してください。

姿勢矯正の効果:猫背と整った姿勢の見た目の違い

そもそも「良い姿勢」とは?なぜ整えると良いのか

姿勢矯正の効果を考える前に、「そもそも良い姿勢とは何か」を知っておくと、これから紹介する7つのメリットが腑に落ちます。ここを押さえておくと、「なぜ整えると複数の面で変化が期待できるのか」がぐっと分かりやすくなります。

良い姿勢=「最小限の力で保てる、安定した状態」

良い姿勢とは、単に「背筋をピンと張った状態」のことではありません。医療機関の解説では、背骨を含む骨・関節や筋肉が正常に働き、神経にも問題がなく、最小限の力で姿勢を保つことができ、力学的にも精神的にも安定した状態が良い姿勢とされています(出典: 済生会)。

ポイントは「最小限の力で保てる」という点です。背骨は横から見ると一本の棒ではなく、ゆるやかなS字カーブを描いています。首(頸椎)と腰(腰椎)は前向きのカーブ、背中(胸椎)は後ろ向きのカーブ。このS字が自然に保たれていると、体重がうまく分散され、余計な力を使わずに立っていられます。

わずかな湾曲があっても、体幹や下半身が安定していれば大きな問題にはなりにくいとされています。「完璧に真っすぐ」を目指す必要はない、ということです。

悪い姿勢(猫背・頭部前方位)で体に起きること

一方、長時間の前かがみ姿勢が続くと、背中の胸椎の後弯(こうわん=後ろ向きのカーブ)が強まり、いわゆる猫背の状態になりやすくなります。すると頭が前へ突き出た位置(頭部前方位/フォワードヘッド、いわゆる「スマホ首」)になりやすく、首や肩まわりの筋肉が頭を支え続けることになります。

さらに背中が丸まって胸が閉じると、胸まわり(胸郭)が広がりにくくなったり、お腹が圧迫されたりと、体のあちこちに負担の偏りが生まれやすくなります。医療機関の情報でも、姿勢の悪さが肩こり・腰痛・呼吸の浅さ・気分の落ち込みなど、さまざまな不調と関連しうることが解説されています(出典: 済生会)。

薬剤師トレーナーの視点では、姿勢は「見た目だけの問題」ではありません。姿勢が変わると、体の使い方・負担のかかり方・力の入り方が変わります。だからこそ、整えると見た目・健康・パフォーマンスといった複数の面で変化が期待できるのです。逆に言えば、どれか一つだけが劇的に変わる魔法ではなく、体全体のバランスがゆるやかに整っていく——そういうイメージで受け止めるのが現実的です。

良い姿勢のS字カーブと猫背の背骨を比べた図解

姿勢矯正の効果7選|見た目・健康・パフォーマンスの変化

ここからが本題です。姿勢を整えることで期待されるメリットを、7つに整理しました。それぞれ「どう良いとされるか → 体のしくみ(根拠) → 押さえておきたい注意点(個人差)」の順で、誠実に解説していきます。

なお、大前提として、これらは「必ず起こる保証」ではありません。姿勢が整うことで負担のかかり方や体の使い方が変わることによる「期待できる変化」です。効果の出方には個人差があることを、はじめに申し添えます。

① 見た目・第一印象が良くなりやすい

まず、最も体感しやすいのが見た目の変化です。背筋が伸びると、実際の身長より少し高く・すらりと見えたり、体のラインがすっきり見えやすくなったりします。逆に背中が丸まっていると、お腹が前に出て見えたり、実際より老けて・自信なさげに見えたりしやすいと言われます。

これは「体重が減る」という話ではなく、あくまで見え方・印象の変化です。それでも、鏡や写真で最初に気づくのはここ、という方がとても多いメリットです。第一印象や自分に対する自信にも良い影響が期待できるとの見方があります。

  • どう良いとされるか: スタイルが良く・若々しく・自信のある印象につながりやすい
  • 注意点: 主観・印象の領域なので個人差が大きい。体重そのものが変わるわけではない

薬剤師トレーナーの視点では、「見た目」は軽視されがちですが、続けるモチベーションとして実はとても大切です。数字で測りにくい健康効果より先に、鏡の中の変化に気づけると、姿勢ケアが続きやすくなります。まずは分かりやすい「見た目」から入り、その先の健康面のメリットへつなげていく——これが挫折しにくい順番だと考えています。

② 肩こり・首こりの負担が軽くなりやすい

次に、多くの方が気にする肩こり・首こりです。頭部前方位(スマホ首)になると、首や肩の筋肉が「前に出た頭」を支え続けることになり、負担がかかりやすくなります。姿勢を整えて頭の位置が本来の位置に近づくと、首肩まわりの負担が減りやすいとされています。

しくみの目安として、頭はおよそ4〜6kg(体重の約10%程度)あるとされ、前に傾くほど首への負担が増えていくと試算されています。ある研究では、首が15度傾くと約12kg、30度で約18kg、45度で約22kg、60度では約27kg相当の負荷がかかりうると報告されています(出典: Hansraj 2014)。

  • どう良いとされるか: 頭の位置が整うと、首肩の筋負担が減りやすい
  • 注意点: この数値は単純化したモデルによる試算で、実際の負荷は姿勢・体格・条件で幅がある。「猫背が肩こりの唯一の原因」と断定はできず、あくまで「負担が軽くなりやすい」範囲

数字そのものを暗記する必要はありません。「頭を前に突き出すほど首まわりの負担は大きくなりやすい/整えると軽くなりやすい」——この傾向だけ押さえておけば十分です。

肩や首のこりが気になる方は、肩こりをやわらげるセルフケアもあわせてご覧ください。巻き肩・首肩まわりへのアプローチを整理しています。

③ 腰まわりの負担が集中しにくくなる

腰まわりへの効果も、姿勢矯正でよく期待されるメリットです。骨盤や体幹が安定すると、立つ・座る・動くときの負担が腰の一点に集中しにくくなるとされています。

背骨のS字カーブが崩れて背中全体が丸まると、腰のカーブも失われがちです。すると、本来なら背骨全体で分散していた負担が、特定の部位に偏りやすくなります。姿勢を整え、体幹や下半身の筋肉がうまく働くようになると、負担が分散されやすくなると考えられています。医療機関の情報でも、姿勢を支える体幹・下肢の筋力強化運動が有効とされています(出典: 済生会)。

  • どう良いとされるか: 骨盤・体幹が安定すると、腰への負担が集中しにくくなる
  • 注意点: 腰の痛みには姿勢以外の原因(椎間板や神経など)も関わりうる。強い痛み・しびれがある場合は自己判断せず受診を

腰の負担が気になる方は、腰をいたわるストレッチもあわせて参考にしてください(※強い痛み・しびれがある場合は、まず医療機関への相談を優先してください)。

④ 呼吸がしやすくなる可能性がある ★深掘り

ここは、薬剤師トレーナーの視点でとくに掘り下げたい呼吸への効果です。猫背・前かがみの姿勢では、胸まわり(胸郭)の広がりや、呼吸に使う横隔膜の動きが制限されやすくなります。胸が閉じて背中が丸まると、息を大きく吸うためのスペースが物理的に狭くなりやすいためです。

姿勢を整えて胸郭が広がりやすくなると、呼吸がしやすくなる可能性が研究でも示唆されています。理学療法分野の研究では、体幹の前傾姿勢が肺の気量位や呼吸運動に影響を与えること、また体位(体の姿勢)によって換気運動や呼吸機能が変化することが報告されています(出典: 理学療法学「体幹前傾姿勢が肺気量位と呼吸運動に与える影響」/「体位により変化する換気運動と呼吸機能」いずれもJ-STAGE掲載)。

  • どう良いとされるか: 胸郭が動きやすくなり、呼吸がしやすくなるとされる
  • 注意点: 「肺活量が必ず増える」「呼吸器の病気が治る」といった話ではない。呼吸が浅い・息苦しさが続く場合は医療機関へ

薬剤師トレーナーの視点では、呼吸は「深呼吸しよう」と意識するだけでなく、そもそも深く吸える体の”形”になっているかが土台になります。背中が丸まって胸が閉じたままでは、いくら意識しても物理的に広がりにくい。姿勢を整えることは、呼吸のための「入れ物」を広げておく準備、とイメージすると分かりやすいです。ただし、あくまで「しやすくなるとされる」範囲であり、息苦しさが続くようなら、それは姿勢の話ではなく受診のサインです。

姿勢による胸郭と横隔膜の動きの違いを示した図解

⑤ 疲れにくく、動きの土台が整いやすい

疲れにくさも、見落とされがちなメリットです。前述のとおり、良い姿勢は「最小限の力で保てる、安定した状態」と定義されます(出典: 済生会)。逆に、崩れた姿勢を保とうとすると、一部の筋肉に余分な負担がかかり、余計なエネルギーを使い続けることになります。

姿勢が整うと、体を支える力が分散され、特定の部位に負担が集中しにくくなります。その結果、同じ時間を過ごしても疲れにくく感じやすくなるとされます(出典: 済生会)。「夕方になると肩や背中がぐったり重い」という方は、姿勢の崩れによる負担の偏りが一因になっている可能性もあります。

  • どう良いとされるか: 負担の偏り・余分なエネルギー消費が抑えられ、疲れにくさにつながりうる
  • 注意点: 疲れやすさには睡眠・栄養・運動不足など多くの要因が関わる。姿勢だけが原因とは限らない

⑥ 気分・メンタル面への良い影響が期待される

姿勢と気分・メンタルの関係も、近年注目される点です。医療機関の解説では、悪い姿勢が気分の落ち込みと関連しうることが指摘されています(出典: 済生会)。逆に、背筋を伸ばして胸を開いた姿勢は、前向きさや自信といった心理面に良い影響が期待されるとの見方もあります。

  • どう良いとされるか: 姿勢を整えることで、気分・前向きさの面に良い影響が期待されるとの見方がある
  • 注意点: 「自律神経が整う」「メンタルの不調が治る」と断定はできません。 あくまで「関連が指摘される」範囲。気分の落ち込みが続く場合は、姿勢ケアではなく専門機関への相談を

薬剤師トレーナーの視点では、ここは特に慎重にお伝えしたい部分です。「姿勢を正せば自律神経が整う」といった言い切りをよく見かけますが、体の反応はそれほど単純ではありません。姿勢と気分に「関連が指摘される」のは事実ですが、それは「姿勢さえ直せばメンタルの悩みが解決する」という意味ではない。姿勢ケアはあくまで、体を心地よく使うための一つの手段。過度な期待も、過度な軽視もせず、フラットに受け止めてください。

⑦ 日常動作・運動パフォーマンスがしやすくなる

最後は、日常動作や運動のパフォーマンスです。体幹が安定すると、立つ・歩く・物を持ち上げる・スポーツをするといった動作の「土台」が整い、体を思いどおりに動かしやすくなるとされています。

立つ・歩く・姿勢を保つといった動作は、大腿四頭筋・臀筋・腹筋・背筋など多くの筋肉に支えられており、これらの働きが日常生活の質(QOL)に影響することが知られています(出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット)。姿勢が整い、これらの筋肉がうまく連携して働けるようになると、動作の効率が上がりやすくなると考えられます。

  • どう良いとされるか: 体幹が安定して動作の土台が整い、日常動作・運動を行いやすくなる
  • 注意点: パフォーマンスには筋力・柔軟性・技術など多くの要素が関わる。姿勢はその土台の一つ

動作の土台となる体幹を整えたい方は、プランクを中心とした体幹トレーニングガイドで、安全な進め方を詳しく解説しています。

薬剤師トレーナーの視点では、7つの効果に共通するのは「姿勢が整うと、体の負担配分や使い方が変わる」という一点です。これらは”必ず起こる保証”ではなく、体の使われ方が変わることによる「期待できる変化」。だからこそ、誠実に個人差を前提に受け止めてほしいのです。数字で保証はできませんが、「体がラクに使える」という感覚は、多くの方が続けるうちに実感される変化でもあります。

姿勢矯正の効果7選をまとめたインフォグラフィック

逆に、姿勢の悪さを放置するとどうなる?(デメリット)

効果の裏返しとして、姿勢の悪さを放置した場合に「指摘される」デメリットも整理しておきましょう。やみくもに不安をあおるためではなく、ケアを始める動機づけとして冷静に押さえておくのがおすすめです。

医療機関の情報では、姿勢の悪さが次のような不調と関連しうると解説されています(出典: 済生会)。

  • 肩こり・首こり・腰痛・背部痛による日常の質(QOL)の低下と関連が指摘される
  • 背中の丸まり(脊柱後弯)によりお腹が圧迫され、胃腸の働きに影響しうるとの指摘
  • 胸が閉じることで呼吸が浅くなりやすいとの指摘
  • スマホ首による首のこり・頭痛・めまいなどとの関連
  • 気分の落ち込みとの関連

薬剤師トレーナーの視点では、ここは冷静に受け止めたい部分です。「姿勢の悪さが、これらの不調の直接の原因だ」と一対一で断定はできません。 あくまで「負担がかかりやすい」「関連が指摘される」という範囲です。とはいえ、姿勢を整えることで体がラクに使えるようになる方が多いのも事実。過度に恐れず、しかし放置もしすぎず——という距離感で向き合うのが現実的だと考えています。

「姿勢矯正なんて効果がないのでは」と感じている方こそ、この「デメリットの裏返し」として効果をとらえると、腑に落ちやすいかもしれません。整えて負担が減ることは、放置して負担が偏り続けることの逆、というシンプルな関係です。


効果を実感するには?(整え方の概要 → 詳しくは方法記事へ)

「効果は分かった。では、どうすれば実感できるの?」——ここが一番知りたいところだと思います。結論から言うと、姿勢は日々の習慣で形づくられるため、変化を実感するには継続が欠かせず、その出方には個人差があります。

姿勢矯正の効果はいつから?——個人差と継続が前提

「姿勢矯正の効果はいつから出るのか」は、多くの方が気にするポイントです。しかし、これには明確な「◯日で効果が出る」という答えはありません。私たちの体は、繰り返した姿勢を「ラクな基準」として覚えます。長年かけて身についたクセを整えていくには、それなりの時間と継続が必要とされます。

早く体の軽さを感じる方もいれば、習慣として続けるなかで少しずつ変化に気づく方もいます。「短期間で必ず変わる」と考えず、続けやすい形で取り組むことが、結局いちばんの近道です。

基本の考え方=「硬い前面をゆるめ、弱った背面・体幹を鍛える」

姿勢を整える基本的な考え方は、意外とシンプルです。長時間の前かがみで縮んで硬くなりやすい胸や首の前側をゆるめ、逆に弱って働きにくくなりやすい背中・肩甲骨・体幹を鍛える。この両方向から整えるのが土台になります。医療機関の情報でも、姿勢の改善には体幹と下肢の筋力強化運動が有効とされています(出典: 済生会)。

なお、ストレッチを行う際は、「痛くなく気持ち良い程度」で「呼吸を止めず」に行うのが基本とされています(出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット)。無理に伸ばしたり、反動をつけたりは禁物です。

具体的なストレッチ・筋トレ・進め方は姉妹記事へ

この記事は「姿勢矯正の効果・メリット」に特化しているため、具体的な種目の手順や週ごとの進め方はあえて詳述していません。 実際に取り組む段階になったら、下記の記事が実践のガイドになります。

薬剤師トレーナーの視点では、姿勢の効果を出す最大のカギは「特別なこと」ではなく「続けられる形にすること」です。一つのグッズや一回の施術で一気に解決する発想ではなく、小さな習慣を生活に埋め込んで、体に新しい基準を覚えてもらう。これが、RBDが大切にしている「その場の矯正で終わらせず、続く変化を目指す」考え方とも共通します。

姿勢の効果を出す3ステップ:ゆるめる・鍛える・習慣にする

姿勢矯正で注意したいこと(NG・誤解)

「効果を出したい」という気持ちが強いほど、かえって逆効果になる落とし穴もあります。姿勢を整えるうえで避けたい誤解を整理します。

  • 胸を張りすぎる・腰を反らせすぎる

「良い姿勢=胸をピンと張る」と思い込み、腰を強く反らせてしまうと、今度は腰に負担がかかりやすくなります。良い姿勢は「力む」姿勢ではなく「最小限の力で保てる」姿勢です。

  • 痛みを我慢して伸ばす・鍛える

痛みは「ここから先は危ない」というサインです。我慢して得られるメリットはありません。痛みが出たら中止してください。

  • 即効・完治を期待しすぎる

姿勢は長年の習慣で形づくられます。「1回で劇的に変わる」「やれば誰でも完璧な姿勢になる」というものではなく、効果の出方には個人差があります。

  • グッズや施術だけに頼りきる

姿勢サポートグッズや施術は補助にはなりますが、日中の姿勢習慣が変わらなければ戻りやすいものです。土台は「自分で続けられる習慣」にあります。

薬剤師トレーナーの視点では、姿勢ケアの失敗の多くは「張りすぎ」「力みすぎ」「頑張りすぎ」から生まれます。体は本来あるべき位置に戻りたがっています。無理に矯正しようと力むより、ゆるめて、やさしく働かせて、習慣にする——この穏やかなアプローチのほうが、遠回りに見えて確実です。


受診を優先すべきサイン(レッドフラッグ)

ここは、この記事で最も大切なパートです。背中の丸まりや姿勢の崩れの中には、セルフケアではなく医療機関の受診を優先すべきものがあります。

これまで紹介してきた効果は、あくまで姿勢の習慣によって生じる「機能的な」不良姿勢を整えた場合に期待されるものです。一方で、背骨そのものの構造に関わる変形は、医療の領域です。たとえば側弯症(脊柱が左右に曲がる)・骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折・変性後弯・強直性脊椎炎などは、自宅のストレッチや筋トレで対処するものではありません(出典: 日本側彎症学会/済生会)。

次のようなサインに当てはまる場合は、自己判断でケアを続けず、整形外科などの医療機関を受診してください

  • 高齢の方・閉経後の女性で、急に背中が丸くなった/身長が縮んだと感じる
  • 背中や腰に強い痛みがある、安静にしていても痛む
  • 手足のしびれ・力が入りにくい・感覚の異常がある
  • 左右の肩や背中の高さに明らかな差がある(側弯が疑われる)
  • 変形がだんだん進んでいる、姿勢を整えてもまったく変わらない
  • 発熱・原因不明の体重減少を伴う

薬剤師トレーナーの視点では、これらのサインは「セルフケアで様子を見てよい姿勢の崩れ」と「専門的な評価が必要な変形」を分ける、大切な境界線です。とくに高齢の方や閉経後女性の急な円背(背中の丸まり)・身長の低下は、骨の状態が関わっている可能性があるため、早めの受診をおすすめします。少しでも不安があれば、自己ケアより受診を優先してください。これは遠慮するところではありません。

繰り返しますが、本記事は診断・治療を目的とするものではありません。「いつもと違う」「進んでいる」「痛みやしびれがある」と感じたら、迷わず医療機関へ。 これが、体を守るうえで最も確実な判断です。


よくある質問(FAQ)

Q. 姿勢矯正の効果はいつから出ますか?

A. 明確な「◯日で効果が出る」という答えはなく、変化の感じ方には大きな個人差があります。姿勢は長年の習慣で形づくられるため、整えるにも継続が必要です。早く体の軽さを感じる方もいれば、続けるなかで少しずつ気づく方もいます。焦らず、続けやすい形で取り組むことが大切です。

Q. 姿勢矯正は本当に効果があるのですか?「効果ない」という声も見ます。

A. 姿勢を整えることで、見た目・負担の軽さ・呼吸のしやすさ・動きやすさなどに良い変化が期待されるとされています。ただし、これらは「必ず起こる保証」ではなく、個人差があります。「効果ない」と感じるケースの多くは、一時的な矯正だけで日中の姿勢習慣が変わっていない、あるいは短期間で判断してしまっている場合があります。続けられる習慣にすることが、効果を実感するうえでの土台になります。

Q. 猫背を整えると痩せますか?

A. 姿勢が整うと、お腹が引っ込んで見えたり、体のラインがすっきり見えやすくなったりする方は多いです。ただし、これは「見え方」の話であり、姿勢を整えること自体で体重そのものが直接減るわけではありません。見た目の印象と、体重・体脂肪の変化は分けて考えるのがおすすめです。

Q. 呼吸は本当にしやすくなりますか?

A. 猫背・前かがみでは胸まわり(胸郭)や横隔膜の動きが制限されやすく、姿勢を整えると胸郭が広がりやすくなり呼吸がしやすくなる可能性が、研究でも示唆されています。ただし「肺活量が必ず増える」「呼吸器の不調が治る」という意味ではありません。息苦しさが続く場合は、姿勢ケアではなく医療機関へご相談ください。

Q. 自分でやるのと、専門家に頼むのはどちらがいいですか?

A. その場で姿勢を整えてもらう施術と、自分で続けるセルフケアは役割が異なります。施術で一時的に整っても、日中の姿勢習慣が変わらなければ戻りやすいものです。一方、自分のクセを正しく把握し、効率よく整えるうえでは専門家のサポートが役立ちます。両方を上手に組み合わせるのも一つの方法です。

Q. 効果を保つにはどうすればいいですか?

A. 整えた姿勢を「戻りにくく」するには、日中の環境と習慣づくりが土台になります。モニターやスマホの高さを目線に近づける、30〜45分に一度立ち上がる、こまめに姿勢をリセットする——こうした小さな工夫の積み重ねが、意志の力に頼らず姿勢を保つコツです。


まとめ|姿勢を整えると、見た目・健康・パフォーマンスの面で変化が期待できる

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 良い姿勢とは「最小限の力で保てる、安定した状態」。整えると負担のかかり方・体の使い方が変わるため、複数の面で変化が期待できる。
  • 姿勢矯正の効果7選: ①見た目・第一印象 ②肩こり・首こりの負担 ③腰まわりの負担 ④呼吸のしやすさ ⑤疲れにくさ ⑥気分・メンタル面 ⑦日常動作・パフォーマンス
  • いずれも「必ず起こる保証」ではなく、負担配分や体の使い方が変わることによる期待できる変化。効果の出方には個人差がある。
  • 効果を実感するカギは「硬い前面をゆるめ、弱った背面・体幹を鍛える」を、続けられる形で習慣にすること。具体的な整え方は猫背を治す3週間プログラムへ。
  • 側弯症・骨粗鬆症性の円背など構造的な変形は医療の領域。急な円背・身長低下・強い痛み・しびれ・進む変形などのサインがあれば、受診を最優先。

姿勢を整えることは、「見た目」から始まって「健康」「動きやすさ」へと、じわじわと生活の質を底上げしてくれる取り組みです。まずは今日、胸を開いて背筋を伸ばす——その小さな一歩から始めてみてください。次のステップとして「では具体的にどう整えるか」を知りたくなったら、姉妹記事の3週間プログラムがそのまま実践ガイドになります。


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主な参考・出典

  • 済生会「姿勢の悪さが重大な病を引き起こす?正しい姿勢で健康に」 https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/good_posture/
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「運動の考え方と進め方」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise-summaries/s-04.html
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチングの実際」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-007.html
  • Hansraj KK. “Assessment of Stresses in the Cervical Spine Caused by Posture and Position of the Head.” Surgical Technology International. 2014;25:277-9. http://applegatewellness.com/wp-content/uploads/2017/10/AR-21-15-hansraj-POSTURE.pdf
  • 「体幹前傾姿勢が肺気量位と呼吸運動に与える影響」理学療法学(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/34/6/34_KJ00004720515/_article/-char/ja/
  • 「体位により変化する換気運動と呼吸機能」(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/28/3/28_365/_html/-char/ja
  • 日本側彎症学会「側弯症以外の脊柱変形とは」 https://www.sokuwan.jp/patient/disease/other.html

文責

白木 勝也
RBDジム オーナー・トレーナー
東大薬学部卒・薬剤師国家資格保有。熊本市南区を拠点に、理論に基づいた「リバウンドしにくい設計を目指したメソッド」で多くの女性のボディメイクをサポート。

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